私の富士ヒル - 2022
2022年の富士ヒルが終わった。結果は想定の範囲内だったけど、82分でブロンズとなりました。悔しいと言えば悔しいけど、やれることやりきったかと言われると「?」マークが浮かんでくるのである意味当然の結果として受け入れることにした。悔しいので色々と書き残しておくことにする。
悔しい
今年の1/22にヤビツ走ったときコンビニスタートのセグメントで35分 ave290W 74.9kg(ざっくり3.86倍)で駆け上っていて、単純に2倍すればいいというものではないけど、富士ヒルでシルバーが現実的に目指せる実力がついてきていたと思う。
その直後、流行りの感染症に罹ってしまい1ヶ月近くちゃんと走れないという状態が続いた。改めて乗り始めることができた頃にはなかなか身体が動かないという状態が続いたし、しばらくは強度をあげると胸に違和感がある状態が度々あった。2月末にFTPを計測したら270Wとなっていた。
そこからうまく立ち直せれば良かったんだけど、トレーニングする時間をうまく捻出できなかったりしたのもあって、FTPは270W1のまま富士ヒルを迎えることになってしまった。
後述するけど、今年は試走もできなかったので、去年の記憶で本番を迎えることになったのも痛かった。試走ができていたら、もう少し戦略的に走れた気がするのも後悔している。
余計に悔しいのは脳内サイクリングのシミュレーションだと、今の実力でもちゃんと出し切れれば75分に近づくことができることが分かっていたこと2。当日の天候やトレインなど外部要因が重なってくることは予想できていたけど、それでも80分は切れるのでは?と考えていた。
走り終わったときは悔しいなってちょっと思ってただけだけど、書いてたら余計悔しくなってきたな…。
試走、失敗…
5/28(土)、この日の予報は晴れ。私を含むいつも一緒に走るメンバー4人で富士ヒル直前最初で最後の試走に行くことに。いつも通り商用車ハイエースを借りて、朝7時に都内某所に集合して自転車を詰め込み、高速を運転する。いつも通り談合坂にちょっと寄りつつ、北麓公園に10時頃到着。
この日は天気もよく、いろんなところでよく見かけるチームジャージをまとったサイクリストが北麓公園には沢山いてかなり賑わっていました。快晴で気持ちよく晴れており、絶好の試走日和でした。
天気は優勝 pic.twitter.com/2TJ8w8yMFi
— あやぴー (@bicycle_ayato_p) 2022年5月28日
一緒に行ったメンバー全員が準備できたところで、料金所に向かう。ちょっと出遅れてしまい、できるだけ踏みたくなかったのでそろそろと走っていたんですが、北麓公園からあがったところの丁字路でまさかのアクシデント発生…。
丁字路に地味に残っている砂利にハンドルを見事に取られて右側に自転車を倒してしまう。スピードが乗っていなかったので、人間はなんともなかったんだけど、このときの衝撃でディレイラーハンガーが見事に歪んでしまい、ローギアに入れるとタイヤと干渉してしまう状態に陥った。
流石にそのまま走ることができないので、先に料金所に向かってしまったメンバーのもとに行き、お留守番を宣言。こうして私の最初で最後の試走が終わった…。一緒に行ったみんなが降りてくるのを待ち、その後お昼ご飯を食べた。
38kawaguchiko、パスタの量がデフォルトで多くて、とても美味しかったのでオススメです。
翌週にまた走りにくることも考えたけど、カジュアルに行くにはいささか距離が遠いので見送った。その代わり?都民の森で最後のヒルクライム練習をした。ただ、やっぱりというか、なんというか、アップダウンが激しいコースなので、全然登りの練習には向いていないなと改めて実感した。
準備編
今回は去年の富士ヒル本番の反省を踏まえて寒さと雨対策を入念にしておいた。
ウォームジェルは今まで厳冬期でも使ったことなかったので、今回初購入初使用。そのため本番の数日前に東京都心の晴れた日に試すことになった…。ウォームジェル、たいていの商品で「トウガラシ」が入っているらしく、肌に合う合わないがあるので買っていきなり本番投入、はやめたほうがいいと思う。実際、想像以上に効果があって焦りました。
去年は雨天が想定されたにも関わらずレインジャケットを用意してこなかったので、前日にワークマンで適当なカッパ(?)を買った記憶。ちなみに今回はワークマンカッパを下山装備に入れて、レインジャケットは当日装備として持っていきました。仮に着て登ったとして、途中で内側も濡れていると思うし、出走したタイミングで降ってなければレインジャケットは置いていくけど、去年みたいに途中から降り出して下りは雨ということも考えられたので念には念を入れた形です。
最後にえーぞうさんが公開しているブログを見ながら、忘れ物ないかチェックしてました。去年はよりにもよってシューズ忘れるというハプニングがあったので、今年は忘れないぞ、という強い気持ちでチェックしました。
今頃荷物詰めてるので
— えーぞう EMU (@Pma1111) 2022年6月10日
富士ヒル忘れ物チェックシート😌https://t.co/mOSAedaloZ
下山用のサドルバッグには結局以下のものを詰め込んだ。
- 春夏秋用インナー
- 冬用長袖インナー
- ジャケット
- 雨冬用手袋
- カッパ
- ライト
- いつも携行しているポーチ(少しだけお金とティッシュとか入ってる)
- 脱いだもの入れる用袋
本番前日
本番前日は朝から起きて9時に都内某所集合だったので、8時に近くのレンタカーでいつものハイエースをレンタルした。もはや慣れたもので自宅周辺の一方通行地獄を一筆書きの要領でするすると走り、自宅前に停めて荷物をドタバタ詰め込む。
- 自転車/ボトル/サイコン
- シューズ/シューズカバー
- ヘルメット/アイウェア
- 空気入れ
- 下山荷物を詰めたサドルバッグ
- 当日用のウェアと着替え、その他準備物の入ったリュック
それぞれまとめていたので車との往復回数が減ったし忘れ物がなくなった気がする…!私の荷物を積んだところで、全員を回収するために都内某所に向かう。身体の前後にリュックを背負って(?)自転車に乗って汗だくになりながらやってきたメンバーや、5分遅刻すると言って10分遅れてきたメンバーもいたけど問題なく全員を車に載せて出発。
やっぱり談合坂で小休止。いつもは私がひとりでフルに運転しているんだけど、今回はみんな協力的で運転を替わってくれることに。負担が減るので助かる…が…ハイエースなんて運転慣れているわけもなくKOWAI思いを何度かした。今度から積極的に運転してもらって慣れてもらおうと心に決めた。
当初予定ではご飯 -> 受付のつもりだったけど、天気が怪しかったので受付 -> ご飯の順番でまわることに。去年はドギーパークに駐車させてもらって、自転車で会場に向かったけど、今年は臨時の大規模駐車場に停めてシャトルバスを利用することに。会場に着いて受付を終えたところでパラパラと雨が降り始めた。
車で行ったメンバーと別に電車で来るメンバーがいて、ちょうどタイミング的にエキスポ会場で会えそうだったので私ともうひとりはエキスポを周りながら待つことに。べじさんやMIROKUさんが挑戦していたエアロフィットブースが気になっていたので、挑戦してきた。全然及ばなかった。
勝てなかった💦 pic.twitter.com/hdrckVBDtF
— あやぴー (@bicycle_ayato_p) 2022年6月11日
会場でまっていたメンバーと会えたので、宿に迎えに行くと伝えて車に戻り、ホテルに迎えに行ってからランチへ。おおよそ富士ヒル前日に食べるものとは思えないものを食べてました。
その後、乗ってた全員をそれぞれ別々の宿に送り届けて、私が最後に自分が泊まる宿へ移動。ちなみに私はここを予約していた。Twitterでかなり前に予約可能になったって話題になったタイミングで予約してしまった。
わりと良かったし、近くにスーパー3があったので欲しいものがあればすぐに買いに行けたのも良かった。本番当日の朝に食べるものもしっかりと確保した。来年もひとりで泊まるなら泊まりたいなって思った。
大浴場で汗を流して、翌朝着替えるものを出したり確認をして、ドタバタしなくて済むようにしておいた。そして、少し早いけど20時にはベッドの上で横たわっていた…ら、完全に眠り込んでしまい気がついたら22:30というなんとも中途半端な時間だったので、気合を入れて寝ることに。いつもは無駄に寝付きが良いのに、こういうときに限ってなかなか寝れないんだよなーと思いつつ、寝た。
本番
起きたら6:30だった。私が第4ウェーブで出走するた、え、6時にみんなを回収する予定だったから、スマホに連絡がめちゃくちゃきていてドタバタした…っていう夢を見た。ちゃんと4時に目がさめた。
おおよそレース前に食べるものとは思えないものを食べた。胃腸の調子も悪くない。レースのときに着るジャージをタイトなものにするか悩んでいて、2着持ってきていたんだけど結局タイトな方にした。理由は赤色で目立つから。
天気は「てんきとくらす」と「ウェザーニュース」をチェックしていたんだけど、真反対のことが書かれていた。どちらにしても気温もめちゃくちゃ高いわけじゃないので、ウォームジェルを手首、足首、首に塗る。だいぶ暖かい。雨対策でワセリンもある程度塗っておく。特に擦れたりして痛くなりそうなところを入念に。
頼むー。このままの君でいてくれー。 pic.twitter.com/MgF9CUshN6
— あやぴー (@bicycle_ayato_p) 2022年6月11日
淡々と準備をして、車に向かい他のメンバーを拾っていく。今回、私だけが第4ウェーブなので合わせてもらった形になったけど、合わせてくれたのでありがたかった(輪行できたひとり(第3)を除いてみんな第5)。
駐車場はタイムズBで予約した富士五湖聖苑臨時駐車場。車のナビで行こうとしたら、途中でスタッフに「ナビ見て来たでしょ?こっちじゃないよ、あっち」という風に教えてもらって、無事駐車場に到着。
駐車場で最後の支度をして、このタイミングでスタートからしばらくは晴れる方に賭けて、レインジャケットではなくてウィンドジャケット4を着ていくことにした。少なくともスタートまでに身体を冷やしたくなかった。
6時半、全員準備ができたので受付まで移動する。富士五湖聖苑にしたのは正解で、ひたすら下るだけで会場についたので楽だった。アップをするという文脈では軽く登った方がいいのかもしれないけど、疲れを少しでも溜めたくないなら下るだけなのは楽でよかった。でも、来年はアップしたいからちょっと考えるかも。ちょっとローラー欲しくなった。
会場入りしたら、残り10数分で第4ウェーブ出走というタイミングだったので完全によかった。スッとトイレに行って、並ぶ。ちなみに北麓公園で他のメンバーは肌寒いと言っている中、私はポカポカしていたのでウォームジェルの効果は高いなと感じた。
………待つこと数分、第4ウェーブがスタートした。めちゃくちゃ緊張する。周りに知り合いは一人もいない、誰がどんなペースで走るかも分からない。とりあえず1合目まで我慢することを考えながら料金所にさしかかる…。既に心拍170でわけが分からない。挙句のはてにGarminはパフォーマンスコンディションを-4とか伝えてくる。
いや、もうどうしようもないので丁寧にしっかり走ることを意識する。心拍170前後、パワー260前後で淡々と走ろう、そう決めて走り続ける。1合目時点で微妙にシルバータイムからはビハインドしているのが分かっていた。天気が良いのとウォームジェルのおかげで異常に汗が流れてくる。
後のペース配分がよくわからないので、ひたすら脚を止めないことを考える。気がつくと30分が経過していた。ブロンズのペースで走っているとしたら後1時間しかない。走りながら、ああ、こういうFalse Flatがちらほらあったよなーと思い出す。私が得意な区間なのに出力を上げきれない。コースが分からないからビビってしまって、完走することしか気持ちがフォーカスできていない。
ちらほら後ろから追い上げてくるトレインがあるので、乗っかろうと試みるけどすぐに置いて行かれてしまう。冷静に考えて私を追い抜いていってるんだから、私より速い人たちなので脚が合うわけがないのである。
結局ほとんど一人旅をしながら心拍を極端に上げすぎず脚を止めないことばかりを考えていた。ふとしたときに80分を目指すなら後30分しかない…後20分しかない…と気付くけどもうペースが本当に分からない。走ってる途中で後ろから脚の太さを褒められる。本当にありがとうございます、脚が太いのだけが取り柄です。
最後の平坦区間に入る直前からすごい勢いの集団が追い抜いていったけど、それを追いかける元気はなく平坦になってから頑張って踏む。踏んだけど240Wしか出ていなかったらしい。残念すぎる。ちなみにこの区間は去年の方が踏めていた。
そして、最後のラスト手前でもう垂れてしまって元気がなかったんだけど、第3ウェーブで先に上がっていたメンバーが「あやぴーさん、ファイトー」って声をかけてくれたので、最後のひと踏ん張りをしてゴールまで駆け上がることができた。結果は80分には後2分足りず、シルバーには後7分足りないという結果になった。
富士ヒル、82分でゴールというなんとも言えない結果を残してしまったので悔いしかない🥺
— あやぴー (@bicycle_ayato_p) 2022年6月12日
去年から比べたら4分縮んだけど、シルバーは本当に遠いなぁ。でも、去年果たせなかったDaccordiで走るという夢は叶えられたので素直に嬉しかった!
来年はちゃんと実力あげて、試走してのぞみたい! pic.twitter.com/nJ1tCxvwzW
ふりかえり
走りきってみて本当に限界まで踏めたか、というとノーだったかなと思う。感覚的なモノだと思うし、「後悔なく全部出しきれた!」っていう人の方がもしかしたら珍しいかもしれないけど、吐くほどしんどかったわけではない。心拍やパワーの限界値を自分で設定して5そこを超えないように、超えないように、という走り方に徹していたのもあって本番特有の興奮状態で脳を騙す、みたいなことができなかった。
一方でIntervals.icuの結果を確認してみるとパワー的にAve 258WというFTP95%の力が出せたことになっていた。一般的には1割減と言われているので、想像以上にパワーが持続しているのかFTPの設定を小さく見積もりすぎているのかのどちらかだとは思う。あとGarmin先生によると最初こそパフォーマンスコンディションはマイナスだったけど、最終的にはずっと+6とかの絶好調だったらしい、なんだそれ。
明確に失敗したな、と思うのはやっぱり走り方。コースを理解していないというか、あまり覚えていないせいで、毎回「ああ、そういえばこういうのあった」という感じになっていて踏むぞと決めるのがどうしてもワンテンポ遅いし、集団が何故今そのスピードで突っ込んでいけるのかを理解していなかった。False Flatが近づいているから多少速く感じる速度で登りきろうとしてるんだな、とか分かっていれば「よし、ついていこう」という判断ができたはずだけど、なんで上げているのか分からないから「いや、それは持続できないから見送るよ」という消極的な判断になっていたなと。
この走る上でどこで上げたり下げたりするかは試走を繰り返していないと身につかないし、やっぱり富士ヒルは富士ヒルだなって改めて感じた。
戦略的に走るという意味では明確に失敗したなと感じるけど、一方でヒルクライムの走り方はうまくなったのかもしれないと今回改めて思った。脚や腰に極端な負担がかからなかったので、82分間しっかり走り続けることができた。伸びしろがあるとすればエアロポジションだろうか。もう少し空気抵抗を減らす走り方ができるとタイムは伸びそうだなと感じた。
体重についても少し言及しておく。私は身長175cmで体重76kgという一般に重量級と評価される身体で今回も臨んでいた。体重については実を言えば去年の富士ヒル時と対比で+3kgということになっている。一般的には富士ヒルに向けて減量を続ける人が多いと思うんだけど、私の場合は基本的には維持し続けることを考えているので、うまくキープできている。加えてジムに通って、足腰を鍛えているので多少昨年比で増えているのは問題ないと考えている。去年比で+3kgの増量を果たして、その上でタイムは4分縮んでいるので頑張ったなとは思う。4分「しか」なのか「も」なのかはちょっとよくわからない。ただ、感覚としてはもう2分は縮んだやろって気持ち。
準備に関して言えば今回は色々と正解だったと思っている。ボトルは500mlを1本にしていたけど、全部は飲みきれなかったし、マルチデキストリンとぶどう糖、EAAを入れていたおかげで?空腹感もなく走りきることができた。強いて言えばカフェイン入れ損ねたなーってことで、来年はカフェイン入れたい。ウォームジェルも最初はちょっと暑いかもって思ったけど、やっぱりスタート時点で身体が温まってるのは良かったし、途中であまり肌寒さを感じることなく完走できたのでフィジカル的にも良かったし、心理的にも有利だったと思う。忘れ物などがないことも心理的には有利だったと思っていて、あれが足りない、これも足りない、みたいな気持ちじゃなかったのは楽だった。
シューズカバーはパールイズミのものを最初からつけて走ってたんだけど、あれは踵が絶対破けるものなんだなと思いました。シューズカバーはどんなものでも破けるってレビューを見かけるので仕方ないとは思うけど。
それとサイコンはヒルクライムレース用のアクティビティプロフィールを追加していたんだけど、もう少し洗練させたいなと思った。できるだけ気にしたい情報を1ページにまとめてしまいたいし、走っているときに興味ない情報が多すぎた。
あとがき
レース後はみんなでお昼ご飯を食べに行った。Moose Hills Burgerの隣にあるRICETTAへ。ピザがとても美味しかったので、また行きたい。
そして、去年と同じくふじやま温泉へ。本番の汗を流して帰路につく。私より後に走ったメンバーはレース中にトラブルがあったようだったけど、後々見ると鹿に突っ込まれて落車したなどの報告もあったので、全員ちゃんと帰ってこれたのは良かった。
今回は荷物の準備という意味では完璧だったけど、身体をつくる、調子を上げていく、という意味ではまだまだだったなと感じた。気を取り直して、また来年の富士ヒルに向けて練習を重ねたいし、自分でこれを読み返して悔しい気持ちを忘れないようにしたい。
あ、悔しい悔しいばかり書いているけど、去年果たせなかったDaccordiの愛車で完走できたのは素直に嬉しかった。ちょっと泣いたのはここだけの秘密です。
次はブルベだ。気持ちを切り替えて頑張るぞ :)