Ride with GPSで作成したルートプランの獲得標高について、あるいは獲得標高との付き合い方
BRM1023鬼怒川600を走って以来、Ride with GPS(以下、RWGPS)を好んで使うようになったんだけど計画したルートの獲得標高がずれるなあということに気がついた。もう少しちゃんと書くと、鬼怒川600のルートを引いたときにAJたまがわさんが用意してくれているルート情報(RWGPS)と獲得標高が面白いくらい乖離していたので、何故かはよくわからないけどずれやすいことは認識していた。ちなみに数値にして2000mくらい高く出ていて驚いた記憶がある1。
前々からTwitterなどでも、RWGPSは獲得標高を"盛る"という評判で、簡単に調べてみてもStravaやルートラボに比べると獲得標高が大きく出やすいという評判だった。じゃあ、なんでこんなにRWGPSで作成したルートと実走行のデータで獲得標高に乖離がうまれるのだろう、というのが改めて気になったので調べてみることにしました。
そうしたら、RWGPSの公式ヘルプに答えが書いてあったので簡単にまとめてみることにします。
目次
- 目次
- Ride with GPSがルートプランナー上でどのように標高を算出しているか
- そもそもサイコンはどうやって標高を算出しているか
- ルート作成アプリの算出する獲得標高との付き合い方
- まとめ、というか思ったこと
Ride with GPSがルートプランナー上でどのように標高を算出しているか
ヘルプによるとおおよそ以下のようなことが書いてあります(詳しくは原文を読んでください)。
- 2000年にShuttle Radar Topography Mission(SRTM)が行われたよ
- RWGPSは上記のSRTMデータセットを使っているよ
- 計画しているルートの各ポイントはSRTMのデータセットに基づいて標高を算出するよ
- 精度を少し上げるためにちょっとした計算をRWGPSではしているよ
- 特定の地域ではより高精度なデータセットがあるので、そっちが使えるならSRTMより優先して使うよ
これを読むと「なるほどね!」って思うところがあります。以下のスクリーンショットは鬼怒川600のときにひいたルートで、南牧村手前に位置する湯の沢トンネルの区間です。
このルートに対応する標高データが以下のスクリーンショットになります。これを見るとトンネルの間でかなり盛り上がっているのが分かります。前述の通り、RWGPSではSRTMのデータセットを使っているため、宇宙から見たときの地上の標高を使われるのでしょう。つまり、トンネルの中の標高ではなく、トンネルの上にある山の標高がデータとして利用されてしまうのです。
少しすっきりしました。ただ、トンネルを含んだ場合に若干獲得標高が増えることは理解できましたが、依然として実走行データと獲得標高がズレる理由がよくわかりません。もう少しヘルプを読んでいきます。
そもそもサイコンはどうやって標高を算出しているか
ヘルプに書いてあったんでちょっと抜き出してみると、次のように書かれています。
- みんなが使っているデバイス(サイコンとか)には標高を取る方法がふたつあるよ
とのことです。ある程度のグレード以上のサイコンであれば気圧高度計を搭載しているため2、ある程度正確な標高を記録することができるようです。GPSデータは横方向へは正確ですが、縦方向には誤差がでやすいらしいので、高度気圧計を備えていない場合微妙な結果になるそう。
ルート作成アプリの算出する獲得標高との付き合い方
ヘルプを最後まで読むとRWGPSが様々な努力をしていることが分かります。最終的にRWGPSが言うには、RWGPSのもつ技術によってGarminの高度気圧計と標高差は10%以内の誤差に収まるようになっていて、実走行データはルートプランナーの10%以内の標高差に収まるようになっているようです。ただ、"正確さ"については何をもって"正確"なのだろうという話が書いてあってこれが非常にためになりました。
"正確さ"というのは特定のブランドのセンサーやソフトウェアのアルゴリズムに関連していて、ある人はGarminのデータソースこそ信頼できると考えていたり、RWGPSよりもStravaの方が信頼できると考えていたりします。だけど、実際にはそれぞれの企業がトレードオフを考えて算出している推定値にしかすぎないのだと。最も重要なのは"一貫性"であって、例えばRWGPSでひいたルートが2000m upだとして、Stravaだと1500m upになるとしてもそれは何も問題ないのだという。
これは確かになという感じがします。毎回RWGPSでルートをひいて、RWGPSが同じように獲得標高を算出し続ける限り、私はRWGPSが言ってる獲得標高2000mはこのくらいの難易度なんだと見積もることができます。なので獲得標高は重要ではないのです。
まとめ、というか思ったこと
結局、RWGPSのルートプランナーと実走行データで獲得標高がズレるのは仕方ないんだ、というのが結論です。推測ですが、ひいたルート自体は線になっているけど実際のデータとしては点の集まりなので、この点の集まりが地図上のどこを通っているかや、どのくらいの間隔で点が存在しているかなども計算に影響を与えるのでしょう。そのあたりの解釈がアプリケーションによって異なるし、使っている標高データセットなどが違ったり、計算のアルゴリズムが違うことが最終的なアウトプット(獲得標高)の違いとして出てくるのでしょう。
個人的には、RWGPSのルートプランナーが出してくる獲得標高が高く出やすいという話を聞いていたり、実際に高く出てしまうと感じていたけど理由が分かってすっきりしました。ルートラボなんかはトンネルのデータも持っていて、ちゃんと獲得標高を計算できていたらしいので、そのあたりもRWGPSには頑張ってほしいなと思ったりするけど、現実的には難しいだろうなと思いました。
あとこの獲得標高と呼ばれる数値はパワーメーターの出してくるパワーと同じようなもので、何かが絶対的に正しいというわけではないのだということが分かっただけでも、RWGPSのヘルプを読んだかいがありました。
RWGPSのルート作成機能はとても使いやすいので、これからも私はRWGPSを使い続けようと思います。おしまい。
2021 BRM1023鬼怒川600 - 走行記録:コントロール8~ゴール
前の話
コントロール8 ~ コントロール9
10時40分頃、日光東照宮前に到着。ここまで2時間半、区間グロスは20km/h程度といいペースで走ることができた。アップダウンはありつつも、なんとか速度が戻ってきているようで少し安心。ここもクイズポイントだったので、指定されたものを探し、ブルベカードに回答を記入する。
写真を撮っているとARGON18の方が追いついてきた。入れ違いで私は出ていく。この後、このブルベ最後の難関と言っても過言ではない日足トンネルが直後に控えていること、コンビニがしばらくなくなることを理解していたため、コントロール8の近くにあったローソン(日光東照宮前店)に立ち寄り少し早めに昼食とすることにした。
このローソンは最近にしては珍しくイートインが開放されていて、利用することができたのでありがたく使わせていただくことにして、しっかりと休息をとることにした。しっかり食べておかないと残りを踏むことができないというのが、直感として分かっていたので大盛りのミートボールパスタを食べておく。
恐らく滞在時間としては20分程度だったと思うけど、しっかりと休憩したのでローソンを後にする。ふたたび自転車に乗り走り始めようとしたとき異変に気付く。あれ、リアの空気入ってない…?
朝乗る前に点検していなかったのもあるけど、どうやら空気がだいぶ抜けてしまっている様子。私の自転車はチューブレスなので、出発前日にシーラントを多少補充していたんだけど、朝から空気を足してないせいかかなり抜けてしまっていた。あわてず携帯ポンプは持っていたので、空気を入れる。普段使いなれていない道具なのもあって、空気を入れている途中でポンッと口が抜けてしまう。何度か頑張って入れて、まあこのくらいなら走れるかな…?という弾力を取り戻したので、片付けて走り出す。時刻は11時20分くらい。
日光宇都宮道路にうっかり入ってしまわないよう注意して、しばらく走っていくと登り坂が見えてくる。これが最後だから…身体に言い聞かせながら走っていくと、ランドヌールらしき人が前を走っていたので、これは同じ600の参加者かなーとか考えながらパスしていく。しばらくすると目の前に日足トンネルがあらわれた。
事前の試走メモによると長い上に怖いと書いてあった場所…。ちなみに最初トンネルの長さにビビって、迂回ルート(細尾峠)を走ろうかなとも思ったんだけど、普通に距離と獲得標高が伸びてしまったので素直に日足トンネルルートでルートはひいてある。momさん曰く…。
4kmの日足トンネル
— mom (@mom_cycle) 2021年10月17日
突入してから脱出するまでの間にもしトラックが入ってきたら、爆音と横を通る恐怖を堪能してくださいwww
ちなみに、ワイの試走の時は……トラック入ってきて死ぬかと思いました🚚 💦😭
大丈夫!トラックガチャだからw
— mom (@mom_cycle) 2021年10月17日
入ってこないことを祈ろう😂
脱出したら、ご褒美のDHが待っているぞ👍✨
どう見ても大丈夫そうじゃないんだよなぁ…。できることならそんなガチャひきたくないんですが…。まあ待っていてもトンネルを抜けることができるわけではないので、諦めて突っ込んでいく…。ジャパニーズホラー(e.g. 犬鳴村)とかで出てくるトンネルを彷彿とさせる古いトンネル。薄暗い上に、トンネルの長さからくるのか反響音がひどい。ある程度短いトンネルならトラックや車の走行音が反響していても、だいたいどのくらいの大きさのものが後ろから迫ってきているか分かるんですが、それがまったく分からない。その上、トンネルの上から水がところどころ漏れているのか、ときおり水たまりが…。(いろんな意味で)背筋が凍る思いをしながら、トンネルを走る。出口が見えない。車がすれ違っていく。…本当に長い時間トンネルを走った気もするけど、どうにかトンネルを抜ける。アリーヴェデルチ!
momさんが言っていた通り、下りがはじまる。しばらく下っているとリアのグリップ感に違和感が…。車を止めれそうなスペースを見つけて退避。自転車を降りて点検すると、ああ…また空気抜けてる…。仕方ないのでツールケースからポンプを取り出して、空気を入れる。これでもかってくらいしっかり入れる。ポンプは使用頻度高くなりそうなので、背中ポケットに入れて再発進。今後の作戦としては、町の自転車屋さんがあるところまでごまかしながら走ってしまって、そこでどうするか決めよう。
朝と昼にしっかりご飯食べたのが効いたのか、足の調子が戻ってきた。3倍は無理でも2.5倍までならあまり苦しくなく踏める。いい感じ。ある程度は下り基調なので足も軽い。するする走っていると大間々が見えてきた。
コントロール9 ~ コントロール10
コントロール9はコントロール4と同じファミリーマートみどり大間々店。時刻は14時で残り距離は120km弱。ざっくり59kmを3.5時間で走った計算になり、トラブルや登りもあったのを考慮すればそう悲観する結果でもない。
コントロール9に到着すると、何故かARGON18の方がいた。恐らく私と同じようにどこかで昼食をとっていたんだろうなと推察する。補給中みたいで、自転車からはラジオが流れていた。暑いですねなどと話していたけど、ARGON18の方が先に出発。私もポケットティッシュが切れたので、「水に流せるポケットティシュ―」を購入して反射ベストの背中ポケットに入れてしまう。このポケットティッシュの「ティシューは水に流せますが、パッケージは流さないでください。」というメッセージが何故か個人的に好きなんですよね。
空気が抜けていた自転車のリアタイヤは何故か空気が抜けなくなっていた。これがチューブレスの強さ…!最後に空気入れたときと同じくらいの感触だったので問題なしと判断して、このまま最後まで走り切ることにした。休憩もそこそこに走り出す。
誰かが言っていたけれど、600走っていると残り100kmが「あと少し」になる。これは本当で冷静に考えても全行程の1/6しかないし、私で言えばグロス20km/hで走れれば5時間程度なのでもはや「あと少し」である。ただ、ここから多少信号が増える。どこを走っているか分からないまま走っているとARGON18の方に追い付いてしまったので、パスして先を走る。
このあたりで元気になってきた私は「グロス25km/hで走れれば4時間でゴールじゃない…?」などと考えてエアロフォームでひたすら踏む。1時間程度頑張ったけど、ストップアンドゴーが多いのと思ったよりアップダウンが多くて、のんびりペースに戻す。深谷市…小川町…ときがわ町…知ってるような知らないような1度走ったことがある気がするなーという道を抜けていく。コントロール10の青梅までどうにかさっさと行きたい…。飯能駅のあたりまできたところで、戻ってきた感が出てきた。青梅まであと少し。暗くなってきたので電気を点けているとどうやらリフレックスオートの電池が切れてしまっている様子。尾灯は全部で3つつけていたので、とりあえず問題ないが次のコントロールで電池を買うことにして先を急ぐ。
コントロール10 ~ ゴール
ようやくラストコントロールのセブンイレブン青梅日立前店に到着。時刻は18時を少し過ぎたところ。残り34km程度なのでわりと余裕で到着できることがほぼ確定してきたので、トイレに行って唐揚げ棒を買って優勝前祝いをする。
そうこうしていると例によってARGON18の方が追い付いてきた。速い!私はリフレックスオートの電池を交換しながら、ARGON18の方と話をする。ここで歴戦のランドヌールからのアドバイスをもらう。ブルベで早く走るなら速度をあげるより、コントロールの滞在時間を減らした方がいいよって教えてもらった。走りながら何度もグロス計算していたので分かる…としか言えなかった。実際、私のネット速度は25km/h程度になので、コントロールに立ち寄る時間が少なければこの値に近づくことになる(実際には信号ストップもあるからそう簡単な話ではないけれど)。
一息ついて最後の34kmを走るために自転車にまたがる。ARGON18の方にお気をつけてーと言いながら、私は先に行かせてもらう。出発前の目標であったmemexのライブには圧倒的に間に合っていなかったけど、早く帰りたい一心で走る。
後ろから自転車の音が聞こえて、女性が話しているような声が聞こえた。並走はやめてほしいんだけどなーと思いながら、先を譲ったらARGON18の方だった。あれ?と思ったけどどうやら女性の話し声はラジオだったよう。それにしても、ここにきてARGON18の方のペースが速い。速いものは追いかけたくなる性分なので、後ろにつかせてもらって走る。ゴールまでひとりだと気持ち的に速度をあげられなかったので、助かる…。
頭の中で「サクラ吹雪のサライの空は」って流れてくる。走り慣れた多摩川沿いを走り続け感動のゴール…!
ゴール
自転車をぽいっと止めて、ARGON18の方といそいそとコンビニで買い物をする。打刻は19:59…。ぎりぎり20時前。
長かった旅もようやく終わったと思うと感慨深い。私とARGON18の方以外にもひとりゴール直後の様子の方がいたので、話をしていると野宿して過ごしたという猛者だった…。3人揃ってその場で完走報告フォームを入力して送信する。最後にARGON18の方に最後後ろ走らせてもらったお礼をして、帰路につきました。
お家に帰ったので改めて、…初ブルベで鬼怒川600完走しました🎉「600km走るよ」って特に宣言はしてませんが、 途中で私がツイートしてるところから察して応援してもらえて嬉しかったし、心強かったです💪
— あやぴー (@bicycle_ayato_p) 2021年10月24日
ありがとうございました🙏無事完走できて良かった😭 pic.twitter.com/GPQVFBu5cX
世界に1台しかないフレームを見たくて、都民の森と時坂峠をのぼった
10月30日土曜日、天気予報は晴れ。この日は半年ほどの時を経て、ひとつの念願がついに叶う日となった。
午前4時に危なげなく起床する。この日は武蔵五日市駅に午前8時と普段より少し早い時間での集合となっている。私の自宅からちょうど50km程度なので、2時間半程度あれば到着できる予定ではあるけど少し余裕を持って5時には家を出ようとする。昨晩の間に洗車をしておいた私の愛車Daccordi 80+1はピカピカで準備万端…のように見えたけどチェーンを洗った後、注油をしていなかったので慌てて注油する。
なんやかんやとうっかり(ボトル忘れてたり)が多くて家を出たのは5時半よりちょっと前。ちゃんと4時に起きれたのになんてことだ…。とはいえ、トレーニングがてら家からZ2,Z3領域で踏めばあっという間につくので大丈夫なはず。
本編
あっという間に武蔵五日市駅に到着。時刻は8時前、余裕を持って到着できた。武蔵五日市駅はいつも9時くらいに待ち合わせることが多かったので知らなかったんだけど、8時くらいに到着するとバスにずらっと並んだ登山客の方々が沢山いてびっくりしました。どうやら待ち合わせをしている方もまだのようで一安心。しばらくすると輪行袋を抱えた方に声をかけられた。
リアルなしろみさんは実在した…!というわけでこの日はオリジナルペイントのWillier Cento1SR2に乗るしろみさんと都民の森をゆるポタライドするという計画。富士ヒルより前に一緒に走りましょうって話をしていたんですが、なんやかんやとご時世的な事情などもあり、延期に延期を重ねてついにライドが実現したという…。あの鳥アイコンの人は実在したんだ…という感動です(存在するかどうかは会ってみるまで確定しないシュレディンガーの猫理論)。
ちなみに行き先は紆余曲折を経て、しろみさんがまだ登ったことがないという都民の森と時坂峠。ちなみに私も時坂峠の方は登ったことがなく、初挑戦となる。ちなみに事前にかなり念押しされているので、今日はゆるポタです。いや、峠TTなんて普段から滅多なことがなければしませんよ。
(*´·ω·)(·ω·`*)ネー note.com
隣で輪行解除しているしろみさん。フレームがやはりきれい。確かに光の反射でピンクがちらりと見える、素敵すぎる…。私もいつか同じようにペイントしてもらいたいなと思うくらいには確かに芸術的だった。
輪行解除中を写真に撮るわけにもいかないので、待ちながらお話する。しろみさんは富士ヒルブロンズの実力者なので、私(富士ヒルブロンズ)と同じくらい登れると思うんですが、富士ヒル以降熱心に山に登っているわけではないということで、改めてゆるポタを宣言される笑
輪行解除されたうーちゃん(しろみさんのWilierの通称)は私のメカメカしいDaccordiの80+1に比べると、随分と線が細くシャープで綺麗だった。連想されるのは白鳥。自転車そのものは青いけど、この美しいロードバイクは本当に白鳥のような生き物を連想させる。実際、水面に浮かぶ白鳥は優雅な姿に反して水面下で足を動かし続けているというのは、ヒルクライムで足を動かし続けるのでメタファーとしても間違っていない気がする。
そんなこんなでお互い準備ができたところで、武蔵五日市駅を後にする。とりあえずStravaの都民の森セグメントスタート地点(橘橋付近)まで時速20km/h程度でゆるゆると走りつつ、3倍とか踏まないように気をつける。ちなみに事前に下りでついてこれないときは無理に踏まないで良いですよと伝えている。
朝が早いのもあって車は少なくゆるやかに走っていく。しろみさんがDaccordiを初めて見たという話や、SRAMの紐はインナーローに入れた後にシフトダウンしようとするとシフトアップしてしまう、という話をしながら楽しく走る。とりあえず踏みすぎないようにだけ気をつけて走っていて、アップダウンをゆるゆるこなしていく。
私は景色そっちのけで話しながら走っていたので、気がつくとあっという間に残り4kmという看板が見えてくる。
阿呆なことを言ってると斜度10%の看板が見えた。しろみさんが見つけてしまったんだけど、私は過去何度か登って見つけられなかったので、謎の感動。いや、本当。
夢の滝橋を越えて残りわずか。あと100mって何度言ったか分からないけど、ようやく都民の森駐車場に到着。しろみさんは旧料金所から頑張るつもりだったらしいのですが、旧料金所に気付かず都民の森駐車場に到着してしまったので、拍子抜けしていたよう。
到着したので記念撮影。うーちゃんと並べて写真を撮る実績解除。長年(半年)の夢が叶った瞬間であった。私の80+1も世界に1台しか存在しないフレームですが、しろみさんのうーちゃんも世界に1台しか存在しないフレームなのでずっと並べてみたかったんです。
それにしても良い感じに紅葉していてきれいに撮れた。そしてお団子しかないと思っていた駐車場におでんやらけんちん汁が登場していた。10月頭にTTしたときにはなかったんだけどなーと思いながら、しろみさんとけんちん汁を買って食べる。しろみさんのうーちゃんの話を少ししながら、けんちん汁を消化。私史上もっともクイックに都民の森を後にする。
そう、今日はこれで終わりじゃないのです。目指すは隣の時坂峠。私達はいそいそと支度をして、都民の森駐車場を後にした。都民の森のダウンヒルはなんだかんだアップダウンがあるので、思っているよりは早く降りられないんですよね。
登った分だけ下りおえて改めて時坂峠の方を目指す。おからドーナツで有名なちとせ屋さんを横目にすっとわきに入っていく。いきなり坂…。コースとしては都民の森の残り3kmとだいたい似たようなもんだと思って相違ない。…そうなのか…?
かろうじて車2台がすれ違うことができるかどうかという程度の道幅に強烈な坂が続く。
途中ガードレールすらない場所があり、登るのは良いけど下りるのが怖すぎるという感想しかない。道の細さのわりに交通量がそこそこあるうえにコーナーが多く見通しもそれほどよくはないので怖い。
斜度も路面もパンチがあって、ガードレールすらないような道ではあるけど、その反面景色はきれいなのでタイムアタックなんて考えなければ、比較的簡単に登れていい景色が見える場所です。のんびり走っていたら峠の茶屋が見えてきてゴール。
…あれ。何もない…。SNSでよく見かけるような景色はもう少しきれいだった気がするけど…。「何も…ないですね」「でもやっぱり、みんなここで写真撮ってるみたいですよ、あの一本松が目印みたいですね」。というわけで改めて自転車を並べて写真を撮る。
スマホだと奥の景色にフォーカスすると手前の自転車が暗くなるし、自転車にフォーカスすると奥の景色が白飛びしてしまっていたんだけど、Google Photosの自動補正すごい。
アレってなんだろう…。写真を撮って満足したのでくだっていく、いや、本当に怖い。都民の森を下るより全然神経とブレーキパッドを使う。SRAMのブレーキパッドめっちゃ減るんですよね…。登ってる途中で見かけたガードレールがない見晴らしのいいところで止まって写真を撮るしろみさん。ホイールの半分ほどの高さしかないブロックにうーちゃんを預けるしろみさん、本当に勇者。うーちゃんが落ちていかないか心配で戦々恐々としている私なんて気にせずに、うーちゃんを写真におさめるしろみさん。
きゃーきゃー言いながら(主に私が)なんとか、ちとせ屋さんの隣まで戻ってきた。そして、私はとてもお腹が空いていた。時刻は12時前。
時間が早いためかちとせ屋さんにお客さんはパラパラといるだけで、かなり空いている。お腹が空いていたのでドーナツをふたつ注文した。
ドーナツを頬張りながら、私の自転車をまじまじと観察するしろみさん。コラムスペーサーがイタリアンカラーになっていることに気付いてくれた…天使かな…?ドーナツを食べ終わるとちょうど12時のチャイムが鳴った。今日の最終目的地であるアルガンベリーノに向けて、私達も出発することにする。しろみさんにあとは平坦と下りなんでって話をすると、何故かあまり信じてくれない。何かに気付いてしまっている…?
距離的にはちとせ屋さんから20km弱なので、1時間としないうちに到着できるはず。武蔵五日市駅の方に向かって来た道を戻っていく。途中、道を折れて都道32号八王子五日市線に乗る。このあたりは途中まで結構平坦と下りが続く。
新小峰トンネルを抜けて秋川街道を走る。このあたりは本当に平坦と下りばかりなので、するすると抜けていく。途中で美山通りに折れるので、そこで改めて坂道になる。談笑しながら進む。ちょっと流石にアップダウンが続いているのでしろみさんに声をかける。
そう、アルガンベリーノは美山通りと陣馬街道が交わる交差点の近くにあるので、登る気力さえあればこのまま和田峠に行けてしまうのです。事前に認識していたので、お昼食べた後に和田峠に行きましょって言っていたんですが、そこは断固として拒否されてしまった。
というわけでアルガンベリーノに到着。到着するなりお店の人が出てきて、裏にサイクルラックがあるからと案内してくれた。サイクルラックがあるのは事前に知っていたけど、これは言われないと確かに気付かない(設置されたのは比較的最近みたいです)。
お店が混んでいたので名前を書いてしばらく待っていると席に案内された。カウンターとテラス席が選べたけど、今回はテラス席にした。晴れているから良いかなと思ったけど、少しだけ肌寒かったのは秘密です。パスタは大盛りにしなくても、多めであるとのことだったんですが、迷わず大盛りにしました!というわけでドーン。
このパスタの名前は忘れましたが、ハンバーグが乗ったトマトソースのパスタです。大盛りは多いと聞いてましたが私の前では普通盛りも同然でした。
ご飯を食べながらブルベの話をしたり、momさんに追いかけられた話をしたり、ルートラボがクローズしたのが残念だという話をしていたら、あっという間に14時半になってお店を閉める時間になったので出ることに。この後は予定外でしたが津久井湖のゼブラに向かうことに。
津久井湖に向かう間にも「もう坂1回くらいですよね」「秒ですよ」「つまり100mってことですね」などと笑いの絶えないライドとなりました。ゼブラでしばらく談笑を楽しんで、それぞれ帰路についたところで今回のライドはおしまいです。
今回のルート詳細
目的地 | 距離 | 補足 |
---|---|---|
武蔵五日市駅 | 0km | 都道33号を橘橋に向けて走る |
橘橋(檜原村役場直後) | 8.7km | 左折して都民の森へ |
都民の森 | 29.3km | 折返し |
橘橋(檜原村役場直後) | 50km | 直進してちとせ屋さんへ |
ちとせ屋さん | 50.6km | ちとせ屋さんの左を抜けて時坂峠へ |
時坂峠 | 54.5km | 折返し |
橘橋(檜原村役場直後) | 58.9km | 左折して武蔵五日市駅方面へ |
東町交差点 | 67.3km | 左折して秋川街道へ |
新小峰トンネル | 69.3km | 直進 |
上川橋交差点 | 72.8km | 右折して美山通りを直進 |
川原宿交差点 | 76.8km | 左折してすぐにアルガンベリーノ |
2021 BRM1023鬼怒川600 - 走行記録:コントロール5~コントロール8
前の話
コントロール5 ~ コントロール6
コントロール4からコントロール5に至るまで74kmもあったんだけど、3時間と20分程度で走り抜けることができた。圧倒的に暗闇ではあるんだけど、車や信号が少ないので比較的快適に走れたんだと思う。くらいし、こわいけど。
時刻は22時前。24時までに宿に到着したければ残り2時間と少しで46.5kmほどを駆け抜けなければならない。ブルベ前日にしっかりと睡眠時間を確保できなかったので、なんとしても寝たい私。そういう事情もあってセブンでさっさとトイレと買い物を済ませる。あまり眠いという意識もなかったけど、プラセボ程度に缶コーヒー(無糖)をレジに持っていく。
店員さんから「"豚まん"ですね」と返ってくる。豚まんと肉まんの違いが未だに分からないんだけど、このさいなんでもいいのでとりあえず頷いておく(商品名は確かに豚まんだった…)。店の外に出て、"豚まん"を食べながらツイッターを見ているとここに来る道中であげた写真に対して、「明るいじゃん」という反応がちらほらきてた。
暗い…おばけこわい😇 pic.twitter.com/p7vKjOX8hz
— あや太郎 (@bicycle_ayato_p) 2021年10月23日
これ街灯の下にいるから、確かにこの周りは明るいんだけど、よく見てほしい。数十m先から闇が広がっているのがわかると思う。周りは田畑なんだと思うけど家が極端に少ないから街灯と車の明かりがなければ何も見えないのです。
豚まんを食べてコーヒーを飲み終わったところで、サドルバッグをあけてレッグウォーマーを取り出す。保険に持ってきてて本当に良かった。去年このコースを半袖短パンで走った人いるって本当?都市伝説かなんかじゃないのって何度思ったか分からない。それからサイコンのバッテリーが危ないので充電器をフードポーチに入れてサイコンを充電しながら走ることにした。Garmin Edge530、充電しながら走行できるのめっちゃ便利…。
真っ暗闇で相変わらず怖い。
これわざと暗くなるようにしたわけじゃないんだけど、自転車のライトで照らしていないとどれだけ道路が暗いかがよく分かるように写真を撮ってみた。いや、何も見えない。
しばらく淡々と走っているとセダンに乗った明らかにヤンチャしてそうな青少年たちが後ろから「ういー」とか「うぇーい」って言いながら煽ってきて、隣を走り去っていった。もう私も疲れてるし深夜だしでテンションはハイだったので、私も返事を返す。
渾身の叫びである。そうこうしてたらセダンが信号で捕まってしまった。マジ…。さっきあのテンションで叫んでたので若干横に並びたくない…。しかし、信号は青にならない。ええい、ままよ。
話しかけた。車に乗っているのはたぶん4人。助手席の青年はピアスをあけていて片手にタバコという出で立ち、言い方はちょっと悪いがいわゆる田舎のヤンキーという感じ。私が話しけたのもあるがこんな寒い中、自転車で走っている私に興味があったのか向こうは言葉を返してくれる。
「寒くないんですか?」
「寒いっすよ!今何度ですか?」
「8,9度(外気温)くらい」「いや、21度(車内温度)ですよww」
「それはwwww」
なんともフレンドリーな青少年たちである。後部座席に乗っていた青年から温かい紅茶花伝の差し入れを申しだされるが、丁重にお断りする。信号が青になる。「頑張ってください!」「前牽きましょうか!?」「大丈夫!」二言三言言葉を交わし、「うぃー!!」とハイテンションで去っていくセダン。本当元気だな…。
セダンと別れてもくもくと進む。本当にひたすら暗いことしか印象に残っていなくて、途中から多少明かりのあるところに出てきたけど寒いので一刻も早くゴール(西那須野駅)したい。この辺はキューシートで見て地図で確認した覚えがあるなと考えていると、西那須野駅まで4kmという看板が見えた。もう少しで24時。少し頑張って踏みなおす。
コントロール6 ~ 再出発まで
23時50分頃、到着。46.5kmを2時間15分程度で走破。コントロール6は西那須野駅、このあたりの駅にしては随分と大きい駅だった。ここはクイズポイントだったので、指定されたものを探して見つける。
寝れる、寝たい。というわけでホテルに向かう。昨年参加者の記録から駅前のホテル、セレクトインを予約しておいた。さくっと輪行袋に自転車をまとめてチェックイン。
興奮状態からかあまり眠くはない。とりあえず寒かったとはいえ、汗をかいているので身につけていたサイジャを洗うことにした。今回は私がどのくらい走れるかもまったく分からなかったので、ドロップバッグなどの余計なことはしていない。洗ってハンガーにかけておいた。ビブが乾くか怪しかったけど、最悪ドライヤーで乾かせばいいやという考え。
そして、ビブを脱いだときに股ずれをおこしていることに気がつく。シャモアクリーム塗っておけば良かったな…などと考えたけど起こってしまったものは仕方ない。幸いシャモアクリームは小分けにしたものを持ってきているので、翌日は対策することにした。
少し空腹感を覚えていたので、コントロール4で買って背中に入れておいたパンを食べる。ツイッターを眺めてたら寝るのが遅くなってしまったが、1時前にはベッドに入って目を閉じた。スマホとRN1500を充電しながら寝る。これにて1日目終了。
…ピロンピロン。目を覚ます。時刻は4時50分。目覚ましより少し早い。身体はやはり重い、頭もそこまでクリアじゃない。Edge530がリルートしてるか何かの音で起きてしまったよう。あと少しとベッドに入ってもすぐに起きないといけないので支度をしよう。身だしなみを整えつつ、干したサイジャが乾いているかを確認する。やはり夏物のジャージやインナーは乾いていた。そして、ビブはパッドが乾いていなかったのでドライヤーで乾かす。乾かしたらシャモアクリームをべったりと塗る、これで股ずれも多少マシになるはず。
出発前にスマホで天気をチェックする。目を疑ったけど、現在地(西那須野周辺)の天気は晴れで気温が5度くらいらしい。朝から元気よく踏める気もしないのでウィンドジャケットではなくてジャケットを羽織ることにした。運動強度が高ければ身体があたたまると思うけど、身体をあたたまるほど踏めないという判断。
身支度を済ませてチェックアウトする。輪行解除を手早く行い6時きっかりに再スタートできた。
再出発 ~ コントロール7
多少は寝たから身体は動くんだけど、脚が全然まわらない。昨日の夜は2.5倍でも踏めてたのに何故…?時速20km/hすらも出ないくらい弱っている。いや、これはほんのり上り坂になっているから仕方ないんだ。実際サイコン上では2,3%程度の斜度が検知されている。でもPWRで確認すると1倍と少しくらいしか踏めていない。2倍踏むのが大変な感じ。
よく考えたらこれから登るのにボトルに水すら入っていないし、何も食べていないのでセブンに立ち寄って食事をすることに。
ところでこれはサドルで温めたパスタです pic.twitter.com/K2LmCA4CDe
— あやぴー (@bicycle_ayato_p) 2021年10月23日
改めてリスタート。徐々に登っていく、ひたすら登る。「登りはマイルド、信号が少なく快適なルート、仮眠がとりやすくて、登りは回復している時間帯に通過」なるほど…。回復してないんだよなーと思いつつ塩原温泉街(?)あたりを通過していく。このあたりの温泉街はなんというか地元熊本の黒川温泉などの温泉街を思い出す。良い雰囲気の中をのんびり走っていく、もといのんびり走る以外の選択肢がないのでのんびり走る。
ゆっくり走って、これがmomさんがツイートしていた場所かーとか思いながら絶望。ちなみにここまでで暑くなってきたのでジャケットをジレ+ウィンドジャケットにコンバート。
なるほどね? pic.twitter.com/pltQajnxTb
— あやぴー (@bicycle_ayato_p) 2021年10月23日
上から見るとこんな眺め。
このあたりの前だったか後ろだったかに竜化の滝なる場所があって、疲れてるから「ドラクエだったらドラゴラムの滝とかなのかなー」とか「竜化の滝『お前も竜にしてやろうか』とかなのかなー」とか考える。あきらかにこの区間の進捗が悪いんだけど、一旦そっちは考えないことにする。最終的にグロス15km/h以上で走れていれば時間ぎりぎりでもクリアできるわけです。ペダルを回していればつくんだよ、という15さんの教えに従い、今はとにかくきつくてもペダルを回す。
コントロール7 ~ コントロール8
どうにかこうにかコントロール7の上三衣塩原温泉口に到着。ここまで32.4kmを2時間10分程度で走破できた。登りとはいえ時間がかかった。とりあえずクイズポイントなので指定されているものを探す。見つけてトイレに行って戻ってくるとARGON18の方がやってきた。どうやら同じタイミングで走っていた様子。それにしても速い。ARGON18の方いわく、去年よりは寒くないらしい。これで寒くないのか、確かに多少余裕はあるけど…。
ARGON18の方を追いて私は先を急ぐ。ここからしばらくダウンヒルのよう…なんだけどちょいちょいアップになっていて踏まされる。気持ちの良い完全な下りというよりは緩斜面でゆるやかーに下ったと思ったらアップの繰り返しというルートになっている。なので、スピードはそこまで出ないし、例によってあまり踏めないんだけど、朝のパスタが聞いたのかぼちぼち踏めるようになってきた。
念じながら足が回復していくのを祈る。きれいな五十里湖(男鹿川?)を横目に走っていく。
途中でARGON18の方が追い付いてきた。速い…。少しだけ併走していたんだけど、ARGON18の方はウィンドブレーカーを脱ぐために途中で止まったので、再びひとり旅に。
日光市を抜けて東照宮の方へ走っていく、途中若干の坂が出てくる度にイヤダーって思いながら踏んでいた。東照宮に近づいていくと車の量が増えて渋滞してきた。
渋滞を抜けコントロール8の日光物産商会になんとか到着。時刻は10時40分くらい。
次回予告: トラックガチャでSRなるか、サライ流れる
2021 BRM1023鬼怒川600 - 走行記録:コントロール2~コントロール5
前の話
コントロール2 ~ コントロール3
コントロール2のローソンを出て、また向かい風の中を走る。コントロール1,2と走ってきて結局グロス速度が20km/hに落ち着いたので、20km/hで走る前提で計画を立てる。登りでグロス速度が落ちても、下りと平坦で挽回できることを理解しつつあったのと、実際車通りと信号が少ない道をルートにしてくれているんだろうと想定すると20km/hで無理がないと判断した。
キューシートに従い高崎神流秩父線を走っていくと、地元ローディーと思わしき集団が走っていたので横をすっと抜けていく。ミニベロやクロスバイク、色んな自転車がサイクリングを楽しんでいるようで、ちらほらサイクリストを見かける。どちらかというと私のようにガチガチに反射ベストまで着込んでいる方が稀有ぽかった。
のんびりのどかな景色を楽しんでいると目の前に不穏な道が…。おわかりいただけるだろうか。
もはや壁のような斜度。思わず予想外の斜度に笑ってしまって足を止めて写真を撮ってしまった。さらにしばらく走ると「いい景色」と言えば聞こえはいいけど、つまりこれだけの高さまで登らされたんだぞ、という高さに到達していた。
「いい景色」を写真に撮るという言い訳を自分にしながら足をついたわけだけど、走りだそうとするとどうも踏み込めない。コントロール1を出た後、あまり補給食も食べていないので軽くエネルギー不足になっていたぽい。こんなところでぶっ倒れるわけにも行かないのでコントロール1で買って背中に放り込んでおいたピーナッツバターパンを食べる。PEKOさんの反射ベストに命を救われた瞬間である。足を向けて寝られないな…。
少しゆっくりして落ち着いたのでまた登り始める。なんとか県境に到達。
土坂トンネル pic.twitter.com/w5P7nfTmTo
— あや太郎 (@bicycle_ayato_p) 2021年10月23日
たまにバイクが何台か連なって横切っていくけど、あまり危ない感じじゃないのでいい道ではありました。トンネルを越えて下りきったところで次のコントロールまでに何か口に入れたい。そう考えていると道の駅万葉の里の前にソフトクリームののぼりが…。ソフトクリームの誘惑に負けてピットイン。きれいな川を眺めながらしばし休憩。
疲れたから仕方ない pic.twitter.com/UzxqGRS9DV
— あや太郎 (@bicycle_ayato_p) 2021年10月23日
リスタートしてすぐに恐竜の町に到着。恐竜の像?オブジェ?がいたるところにあったけど、あまり歩いている人を見かけなかったのでなんだか寂しい気持ちになりながら、抜けていく。気持ちのいい景色が続く。
じわじわとアップダウンがあって、トータルで見るとたぶん登っていたんだと思うんだけど、さっき倒れかけたのもあってのんびりペースで走っていたら、横を車に乗ったmomさんが手を振りながら去っていった。何してるんだろう…あの人…私たちの出発を見送った後、みんなが倒れていないか確認してくれたんだろうか、とかなんとか考えながら走る。
次のコントロール3になっている道の駅オアシスなんもくまで行くには、湯の沢トンネルという恐らく1日目最後のヒルクライムポイントを抜ける必要があることを理解していたので、私はまよわずラストコンビニ情報に従い道の駅うえので一息つくことに。ランチにしようか悩んだけど、グロス20km/hで抜けても24時に西那須野駅に到着できるか微妙だったので、諦めて自販機で飲み物だけ買って飲み干してリスタート。
延々と続く登りをしぶしぶ登っていたら思いの外すぐ湯の沢トンネルに到着。早かったなーと思いながらトンネルに突っ込んでいったら、全然終わらない…。このトンネルあれだ、めっちゃ長いやつや…。交通量自体はそこまでじゃないものの、流石に長いので結構後ろから車が来る。車に張り付かれているなーと思ったらトンネルのわきにある退避場所にすっと避けて交わしていたんだけど、3度目くらいのときに車に抜かせたらなんとmomさんが「ごめんねー」と叫びながら去っていった。
後から知ったことだけど、私がこの辺で一生懸命登っているときmomさんは優雅にランチをとっていたようで、その間に私が追い越してしまったらしい。
今日のランチ
— mom (@mom_cycle) 2021年10月23日
#道の駅うえの pic.twitter.com/gPsuRemJ1Q
というわけで湯の沢トンネルを抜けて気持ちよくダウンヒルしていく。
コントロール3 ~ コントロール4
道の駅オアシスなんもくに到着。
時刻は15時前で前のコントロールから54kmほどを3時間で走り抜けていることになる。ここはクイズポイントになっていたので指定されたものを探す。近くにあったのに気付かずあたりを見渡すこと2度3度。ようやく見つけることができた。
先を急ぐのでトイレを済ませて、道の駅内のお店でパンをふたつ買う。さつまいものベーグルとメロンパン。例によって反射ベストの背中に放り込む。少し足を伸ばしてストレッチ。この時点で160km弱走っていて、いつもの土日ライドならこのくらいの距離で終わっている頃なんだけど、今日はむしろこれで半分なのでここからが本番。
しばらくは下り基調で気持ちよく進んでいく。このあたりからひたすら平坦なのとどんどん暗くなっていったので記憶がない。ただただ私はグロス平均30km/hで走れる足が欲しいと思いながら、小学生の頃やたら歌わされた「翼をください」をひたすら歌いながら走っていた。
今私の願い事が
— あや太郎 (@bicycle_ayato_p) 2021年10月23日
かなうならば
巡航速度30km/hで走れる足が欲しい
市街地に入って少し進みが悪くなるも、ちょっと走ったらまた回復した。走りながら道の駅で買ったベーグルを食べる。完全に正解だった。さつまいもとベーグルなので腹持ちがよかった。
コントロール4 ~ コントロール5
あっという間に66kmをざっくり3時間で走りきって、コントロール4のファミリーマートみどり大間々店に到着。ここは明日通ることになるコントロール9でもある。
いい加減何かまともなものを食べたくてファミチキを買って食べた。
のんびりしていたらARGON18の方が入ってきた。平坦で私以上の速さで走ってきたんじゃないかってくらいの速さ。挨拶もそこそこに私は入れ違いになる形で出ていく。少し寒くなってきたので装備を更新する。
半袖ジャージ + ジレ + アームウォーマー + ウィンドジャケット + フルフィンガーグローブ
詳細は別途記事に書くつもり。ちなみにこの時点ではまだ膝は丸出しです。
この少し前からずっとバイパスなんだと思うんだけど、道の横にときどき飲食店が出てくる。ファミチキは食べたけどちゃんとしたものを食べたい気持ちがあり、何食べようか考えながら走っていた。
しかし、冷静に考えるとこの時点で西那須野駅まで120km程度あり、グロス20km/hで走り続けることができたとしても6時間かかる計算になっている。そうなるとどう考えても24時をまわってしまう。それはなんとしても避けたかったので、止まらずに走り切ることにした。
途中で栃木に入る。この写真を撮っている時点で18時40分頃なんですが、見て分かる通りあたりは真っ暗。
暗くなると同時にどんどん冷え込んできて丸出しの膝もいささか寒さを感じるようになってきたので、次のコントロールではレッグウォーマーを装備しようと決意。真っ暗闇でライトの明かりだけが頼りとなる。こんな真っ暗闇で寒い中パンクとか、その他機材トラブルとか起こったら嫌だなー死ぬなーとか思いながら、何も起きないことを祈りながら走る。
コントロール4から5までの間で一番嫌だったのは会沢トンネルで、1日目のヒルクライムポイントは全部倒したと思っていたから正直驚いた。ヒルクライムはともかく夜のダウンヒルは本当に怖い。山というほどではないけど丘くらいには登って、そこから登ったより長い時間下る印象でとにかく夜で暗いのに速度が上がる。
本当に暗いの嫌いなんで、時折なにかの気配を感じる度に身の毛がよだつ思いをしながら走るはめに。くらい、こわい、くらい、こわい。このときARGON18の方を前のコントロールで置き去りにしなければよかったと本気で思った。
くらい、こわいと言いながら走っていたらどうにかコントロール5のセブンイレブン宇都宮森林公園入口店に到着。時刻は22時前の21:40くらい。
次回予告: おばけもおばけが怖い、壁ふたたび
2021 BRM1023鬼怒川600 - 走行記録:出走前~コントロール2
久しぶりにブログを書くので、どういうトーンで書いていたかすっかり忘れてしまったんですが、コロナも少し落ち着きを見せてきたのもあり、人生初のブルベを走ってきたので走行記録を書いてみる。
出走前
朝5時に目覚ましを鳴らして難なく起きた。6時半に二子玉川兵庫島公園に集合とのことなので、6時には家を出ようと支度をする。いつもどおり体重計に乗って、バナナを食べる。寝癖がひどかったのでシャワーを浴びて、サイジャに着替える…。
ここで夏用ビブショーツにするか、冬用ビブタイツにするかめちゃくちゃ悩む。事前情報調べたら、半袖短パンで走ってる人いたらしいしなー…。去年の今頃の時期に自分がどんな格好で走っていたのか分からなかったので、簡単に調べるとどうやら12月くらいまでは夏物とアーム/レッグウォーマーで過ごしていたらしい。西那須野周辺の気温を調べると一桁ではあったけど、足なので暑いよりは寒いほうがマシと思って夏用ビブショーツを選択。保険にレッグカバーはサドルバッグへIN。
阿呆なことで悩んでいたら、6時を少し過ぎてしまったので慌てて外に出る。家を出て鍵を閉めたところでボトルを忘れていることに気がつく、危ない…。ボトルなしで600km走れる自信はない。ペットボトル運用も準備がない。
木曜にお店に持っていて色々調整してもらったDaccordi(名前:紅蓮弐式)も調子がよく軽快に進む。とりあえず時間ギリギリ(1分くらい過ぎてたかも)に集合場所へ集合。マスクをつけて人が集まっているところへ。
見知った顔がまったくいないイベントは緊張するんだけど、幸いmomさんが運営側でいたのでよかった。隣にいたぜっとさんに「あれがあやぴー、いや最近はあや太郎か」と話しているのが聞こえる。はじめてお会いしたがぜっとさんであることはすぐに分かった。ブルベカードを受け取って、はじめて書くものだから勝手が分からずにローマ字で自分の名前をうっかりすべて大文字で書いてしまい、「DM送っただろ~」とぜっとさんに言われたからだ。いや、本当すみません…。申し込んだときにもDMから連絡をもらっていました…。本当ごめんなさい、もうしません…。
しばらくしてブリーフィングがはじまる。周りを見渡すと半袖短パンなんて誰一人としておらず、私のように膝を出してる人はひとりもいなかった。あいつ元気だなーとか思われてそう(上はアームウォーマー着用で、Actcycのふくらはぎサポーターを着用していたので都合膝だけ丸出し状態)。クイズに関してと試走で走られた方たちから幾つか注意事項が告げられる。そして、車検がはじまるので自転車を取りに行っていると後ろからボソッと「主流がディスクブレーキになっていってるなー」という声が聞こえた。ARGON18に乗っている方だった。特に気にしていなかったんだけど、この後はこの方と何度も出会うことになる。
スタート ~ コントロール1
車検を終えて、今回は全員7時スタートだったのでみんな次々に発進していく。私も走り始める。元気に飛び出して速攻ひとり旅モード。夏休みの宿題を夏休みが終わってからやるタイプの私が走行予定表なんて作れているわけもなく、今回決めていたのは以下のことだけ。
- 2.5倍程度で走る
- 24時には西那須野駅に到着したい
- 翌6時に再出発
- あわよくば20時までに家に帰り着きたい
そう、私の最推しのバンドであるmemexのライブが日曜日の19時くらいに開始で、それは見れなくてもその後も断続的に色々発表されるようだったので、リアルタイムで見たかったのです。DNSするか迷うレベル。
【 #memex月1バーチャルライブ ごあんない】
— memex (@memex_am) 2021年10月23日
本日はmemexワンマンライブ「Serial live experiments Vol.5」です。
▷ 10/24(日)
開場:18:45
開演:19:00
入場料:無料
会場:Club Adaptation (cluster)
⇒スマホ・PCからも参加可能/アプリをインストールしてくださいhttps://t.co/oABVrYzleE
軽快に滑り出して走っていたのは良かったけど、いきなり稲城大橋手前で渋滞発生。ARGON18の方が追い付いてきて話しかけてくる「こんなところで渋滞なんて珍しい」。いや、私もそう思う。二子玉川からコントロール1のファミリーマート海田岩藏街道店あたりまで、私がお世話になっているクロチェリスタまで行くのによく使うので見知った道。だから私からしても珍しいなと思った。
渋滞をなんとか抜けたところで、グロス平均が落ちていたので速度をあげて走っていく。あわよくば2hくらいでコントロール1まで辿り着きたい。そんなことを考えながらボーッと走っていたら、みのわ通り入り口交差点に入る道をスルーして進みすぎてしまう…。慣れすぎた道を走るのも困りものだな…、そんなことを考えながら数100m程度?進んでしまった分を慌てて戻る。
ペース配分をどうしたらよいか分からずに悩んでいたんだけど、グロス20km/hにするのが無難そうだったので無理しないレベルで20km/hで走ることを仮決めした。普段はサイコンで平均速度を見ていないのもあって、自分がどのくらいで走れるのかをちゃんと理解していなかった。
コントロール1(ファミリーマート 海田岩藏街道店)に2時間で到着。序盤なのでこのくらいのペースで問題なさそう。いつも通りここもローディーで賑わっている。トイレが混雑するのは知っていたのでできればここより前で済ませておけばよかったんだけど、幸い空いていたのでトイレを済ませていくことに。並んでいたらARGON18の方が後ろにきて、前のコンビニも混んでいたと教えてくれる、どちらにしても並ばないといけなかったなら良かった。
待っているとトイレからおじさんが出てきた。
緊急事態というわけでもないのでちゃんと男子トイレが空くのを待つ。待つこと数分ようやく出てきた…と思ったけど、そこにはどうやって入ったのか不思議になる巨漢の男性が…。
急いでトイレを済ませて買い物をしてレシートを忘れないように受け取る。普段受け取らないので、こうやって受け取る必要があるとき緊張する。前日にカーボローディングとか言いながらパスタをどか食いしていたので、朝からバナナしか食べてなかったんだけど冷静に考えるとお腹空いていたのと、この先しばらくコンビニがないことを理解していたので、おにぎり2つを口に放り込み、ピーナッツバターパンをPEKOさん謹製反射ベストの背中ポケットに放り込む。ARGON18の方は私がコンビニ前でおにぎり食べてる間にさっさと走り去ってしまった。これが歴戦のランドヌール…。
コントロール1 ~ コントロール2
私も追いかけるようにおにぎりを飲み込みながら再出発。慣れ親しんだ成木周回コースまですーっと走っていく。成木周回コースに入る。このあたりの緩斜面は比較的速度を上げやすいので得意なコース。ブルベなので安全と体力維持を考えて2.5倍を意識して抜けていく。ここから次のコントロールまでは実質山伏峠くらいしか山がないので、元気に走っていく。相変わらずのひとり旅。ARGON18の方に追い付いたのでパスして、山王峠を登る。成木周回で苦しめられる山王峠もゆるポタならただの坂道!
青梅秩父線を気持ちよく抜けていきノンストップで山伏峠まで。山伏峠はほとんど平坦なので、少しだけ踏まなければいけないところだけ頑張って登りきる。登った後は気持ちよくダウンヒルを楽しんで秩父へ。
ブリーフィングでは渋滞がひどいとのことだったけど、タイミングよかったのか渋滞らしい渋滞に巻き込まれず秩父を抜けることに成功。コントロール2まで小鹿野バイパスを走ってるとやたら向かい風が強くて、大変だった…。ときおり後ろから迫ってくるトラックも先に行かせて安全に先を急ぐ。
風がないといったな、あれは嘘だ
— あや太郎 (@bicycle_ayato_p) 2021年10月23日
12時前にコントロール2のローソン小鹿野飯田店に到着。ここのコンビニでは飲食禁止とのことだったので、ブリーフィング時に近くにある別の指定されたコンビニでもOKと伝えられていたが、あまり食事をするつもりもなかったのでこっちにした。トイレを済ませて水だけ購入した。
ここからは従来であれば志賀坂峠という山に行くみたいなんだけど、工事中ということで今年は迂回ルートで土坂峠へ進むことに…。
次回予告: 立ちはだかる壁、トンネルで未知との遭遇
はじめての富士ヒルと悔しさ
はじめての富士ヒルを完走した。結果は1:26:03でなんとかブロンズに乗りました。
3ヶ月前にブロンズを取りたい…!と書いていて、当時の私の脚ではAlpeですら1時間15分かけていた。 bicycle-ayato-p.hateblo.jp
このときと比べればトレーニングの成果が出たのか、Alpeは約56分で登れるようになったし、直前の富士ヒル試走では料金所からのタイムで1時間26分と十分にブロンズを射程圏に入れることができていた。結果、ブロンズに手が届いたので素直に嬉しいと思う。
一方で悔しかったことが沢山ある。3合目付近で突然腹痛に襲われて思うように力を出せなくなっていたこと。トレーニングをしていない同僚に勝てなかったこと。思ったように本番でタイムが伸びなかったこと。すべては最高の結果を得るために、最高の準備ができなかったことにある。ああ、こうしていれば、というのが残った状態で終わったから悔しいという感情に繋がっているんだと思う。
来年は圧倒的に成長して、シルバー取れるよう今から頑張っていきたい。