2022 BRM625もてぎ600(時計まわり)を走ってきた ~ 灼熱と強風を添えて ~ - PC4 - CP2+快活クラブ

不動峠道祖神峠を越えて命からがらPC4に辿り着いたあやぴー。しっかり補給をして迫ってくる夕闇に備え再出発をすることができたわけですが、はたして成田に到着することができるのか…。

というわけで、前回までの話はこちら。

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PC4 セブンイレブン茂木バイパス - 通過チェック1 セブンイレブン玉造上山店

次はPCではなく、通過チェックで約72kmの道のり。今回のルートではここまでで北上するのが終わり、南下してくようになる。そのため再度茨城県に入っていくことになる。私の記憶では主要な登りはもうなかったはず。しばらく走っていくとツインリンクもてぎの近くを通っているようだった。夕焼けがきれい。

夕焼けがきれいなんだけど木々に覆われた道は既に薄暗くなってて危険が危ない。ひとりで通りたくない感がすごい。ブリーフィングのドキュメントにも野生動物が最近活発とあったので鹿(名指し)に突撃されたくない気持ちでいっぱいです。

このあたりでフロント変速に失敗して何度かチェーンを落とす。西上州300のときもそうだったけど、疲れてくると変速のタイミングが合わなくなってきてチェーンが落ちることが増える。チェーンが伸びているのかも、とも思うけど、改めて変速を強く意識しながら走ることにした。若干のストレス。

しばらくひとりで夜道を走っていると、ぴったり後ろにつかれた気配がする。振り返るとさっきのPCで見かけた男女ペアで走ってる方たちだった。追いつかれたっていうことは私のほうが遅いってことだろうから、抜いてくれて良いんだけどなと思っていたんだけど、一向に抜いてくれる気配がない。んんん…せめて一言「一緒に走りましょう」くらいあると嬉しいのになあ…。暗いの嫌いだから後ろにいてくれるのはそれはそれで有り難いんだけど…。

ちょっと後ろに黙ってつかれているのが気まずくて我慢できなかったので、声をかけようと思ったら何かの拍子で立ち止まったようでいなくなってしまった。あれ、私何かしたかな…。まあいっかと思ってまたひとり旅を続けていると、しばらくして追いついてきた。イオンモール水戸内原が見える。後ろはお腹が空いたなんて話しているし、そのうちいなくなるかなと思ってそのまま走ることにした。

そうするとすぐそばにあったローソンで離れていった。ついてくるようなら今度こそ声をかけてみようと思っていただけにちょっと残念。残り30kmは淡々と走っていく。途中めちゃくちゃフロントライトを点けてる自転車が逆向きに走っていきながら、チリンチリンとベルを鳴らしてきた。もしかして、反時計の人とスライドした!?早い…。そうこうしていると通過チェック1に到着。

通過チェック1, セブンイレブン玉造上山店, 21:42着, 289.2km地点。少しだけグロスが回復して約19km/hでこれている。AJ千葉のスタッフさんがいて声をかけてくれる。こういうの本当今までになかったから、すごくほっこりする。温かい気持ちになりながら、トイレを済ませて買い物をする。

コンビニから出てきたら、私のサイコンの画面(ブルベのときはオートポーズさせないし、停止を押さないので画面が動いている)を眺めていたAJ千葉のスタッフさんに声をかけられる。「見慣れない表示だけどアプリとか入れているの?」一瞬何のことか分からなかったけど、MapDashboardのことを指しているようだったので「そうですよ、ConnectIQで入れられます」と説明する。

apps.garmin.com

ご飯を食べながらスタッフさんたちと少しだけ会話する。地図に向き矢印が出てていいね、とか、結構PCに入って出ていくときに逆走する人いるんだよ、とか。「PCから逆走する人なんているんですか?1」「それが結構あるんだよ」。そんな話をしながら現時点でDNFした人がどれくらいいるのか気になったから教えてもらおうかなと思ったんだけど、喉元まででかかった言葉を飲み込んだ。聞いたら「こんなにDNFしてるし走るのやめても仕方ないよね」ってなりそうだったので聞かないことにした。水をボトルに入れて出発する気持ちになったのでリスタート。

通過チェック1 セブンイレブン玉造上山店 - 通過チェック2 セブンイレブン下総成井店

次も通過チェックで通過チェックは約50km先、350km地点までは残り60kmほど。時間的には何事もなければ12時半くらいまでには350km地点に到着しそう。

PC4のカツ丼のおかげかだいぶ気力と体力が戻ってきていた。すっかり暗くなってしまったのもあるけど、夜になって気温も落ち着いてきて走りやすくなった。笠間のコンビニで教えてもらった400km地点まで走るのも試しても良さそうだなと思った。ただ、私はワンデイのコンタクトなので異物感が増してくるのが嫌だったし、夜間をひとりで走り続けるのも嫌だったのでこの案は即座に棄却された。

そろそろ暗くて怖いので一緒に走る道連れ仲間が欲しくなってきたところで、目の前を走る村人1を発見。残念ながらペースが戻ってきている私と足が合わない感じだったので、パスして先に進む。すぐに村人2を発見するも、やはりペースが違う感じがしたのでパスすることにした。その後、しばらくするといいペースで走っている足があいそうな人に追いついたので、なけなしのコミュ力を振り絞って思い切って声をかけた。

すみませーん。ちょっと夜怖いんで一緒に走ってもらってもいいですかー!?(切実

幸いにも了承してもらえたので、一緒に走ることに。「600ははじめて?」「いやー、実は去年はじめて走ったブルベが600だったので、走ったことはあります」「600から?なんで?」「ちょうどタイミング的に走れるのがなかったのと、足だけなら自信があったので…」。やっぱりはじめてのブルベが600だった、は初対面の人と話すにはちょうどいいネタになるので、これだけでも走って良かったな…。和気あいあいと話しながら走っていると夜間は怖くないし、何より親切な人に声かけることができてよかった。

夜間に野生動物が出るって書いてあって怖かったんですよ。って話をしていたら千葉は「キョン」が出るって教えてもらった。キョンって聞いた瞬間、昔のアニメが頭をよぎったけどどうやらそっちのキョンじゃないらしい。小さい鹿みたいな動物なんだとか。いずれにしても平野部で鹿みたいな大きな動物はそうそういないんだと。一緒に走ってくれた方はブルベで道志道の方を走っているときに鹿の群れに遭遇したことがあるとかなんとか…。鹿にはあいたくないなあ…。

わりと良いペースで走り続けていると、羽虫の大群に突っ込む。ネックゲイターを引っ張り上げて口を守る。ただでさえ夜間で走りにくいのに、この大量に空中に浮遊している羽虫の大群はなんなんだ…。残り10kmくらいになったところで、一緒に走っていた方が宿に一度電話したいとのことで離脱。少し寒くなってきたのか、寒気を感じながら走る。やっと通過チェック2に到着。

通過チェック2, セブンイレブン下総成井店, 00:11着, 341.8km地点。ここでもAJ千葉のスタッフさんが待機していて、名前の確認をされた。夜遅くまでありがとうございます!コンビニの外には大量のたまねぎが、中に入るとピーナッツが大量に積んである。ここは八百屋でしたっけ…。最後の買い物をする。

  • 缶コーヒー(無糖)
  • 冷凍麦茶

今日はあと少し走って寝るつもりなので、コーヒーだけ飲み干してしまう。冷凍麦茶は背中に入れてすぐにリスタート。早く寝たい!

通過チェック2 セブンイレブン下総成井店 - 快活クラブ

ここまで来てしまえば後はたった8kmほどなのですっと走りきってしまう。快活クラブ成田土屋店に到着。到着して驚いたけど、ランドヌール/ランドヌーズたちの自転車と思わしきバイクが数台自転車置場にそのまま置いてある。マジ…?輪行状態にして持ち込むとかしないんだ…。輪行道具は持ってきてるけど、私も輪行状態にしたいかと言われるとノーだった。かなり疲れているのもあるし、少しでも寝たい。時刻は1時前でどうせ6時前には出ていくし、幸い交通量も少ないように感じる…。本当は嫌だけど5時間だから何もないことを祈って、ボトル以外は全部外してそのまま外に置くことにした。ごめんよ…、私の愛車…。

ボトルも本当は外して洗うとかしたかったけど、疲れていたし(免罪符)両手が荷物で塞がっていたので諦めた。明日なんとかするよ。…ブルベでは胃腸の強さが物を言うらしい(そういう意味ではない)。

予め会員証を作っておいたし、ちゃんと免許証も持ってきていたのですんなり入れた。ただ、完全個室は空いてなかったのでマットの部屋を割り当てられた。身体を横にするだけだし、この際文句は言うまい。しばらく待たされているとジャージを洗濯乾燥しようとしているランドヌールに声をかけられた。やはり仲間がいた!

私もとりあえずシャワーに行くべく、荷物を部屋に置いてサドルバッグから着替えを出してシャワー室へ。流石に時間が時間なのもあって、利用者がいないみたいですんなり入れた。助かる。ジャージを脱いでインナーを脱いだ瞬間、鏡に映った身体を見てギョッとする。大量の羽虫…。今日は1日ずっとファスナーを半分開けたままだったので、どうやら胸元にそのまま飛び込んでくっついてしまった様子…。うへぇ…。グローブを外すと見事に右手にマメができていた。どうりで手が痛いわけだ。汗を流してシャワー室を後にする。

脱いだジャージ類をすべて洗濯機に入れる。洗濯乾燥機ではないので、洗濯が終わり次第乾燥機に入れないといけないんだけど、30分もあれば終わるらしいので最悪朝起きてからまわすでも間に合う。ただ、朝からドタバタするのは避けたかったので、洗濯が終わるまで部屋で待つことにした。少しだけでも休もうと目を閉じる。ハッとして目を開くと2時になっていた。1時間ほど寝てしまっていた様子。洗濯機の中身を乾燥機に移して部屋に戻る。

最後に立ち寄ったコンビニで買っていた冷凍ペットボトルを首の後ろに入れて寝転がる。少し溶けていたので冷たさがちょうど良いのと枕の高さにちょうどよかった。とりあえず5時くらいには起きたいけどどうやって起きよう…めっちゃ目覚まし鳴らしてもいいのかな…とりあえずスマートウォッチの振動アラームをスマホより先に鳴るように設定して、スマホのアラームはいつもより控えめにしてセットしておいた。隣の部屋からおおよそこの世のものとは思えない寝息が聞こえてくるが無視して目を閉じた。……いびきうるさいな…?

結局、5時少し前に自動的に目が覚めた。案の定というか、ハードな運動を続けているのであまり熟睡はできなかった。身支度をして乾燥機に入っていたジャージを取り出す。ドリンクバーでアイスコーヒーを入れて飲む。少し眠いけど、ずっと悩まされていた頭痛は消えていた。手のマメは…昨日よりはっきり存在感をあらわしている。気になる自転車は…受付の近くにある窓から外を覗くとちゃんとあった。良かった。

快活クラブにいるときは眼鏡をかけていたので、眼鏡を外してコンタクトを装着する。ジャージに着替えて準備ができたところで受付で料金を支払って外に出た。こうして始まるもてぎ600の2日目。果たして残り250kmを無事に走りきることができるのか…。


  1. momさん以外で聞いたことない

2022 BRM625もてぎ600(時計まわり)を走ってきた ~ 灼熱と強風を添えて ~ - PC3 - PC4

すっかり暑さにやられて頭痛がひどくなってきたあやぴー。どうにかこうにかオアシス(PC3)に辿り着いたものの、この先に待ち受けるのは不動峠道祖神峠という峠たち。果たして生きて次のPCに辿り着けるのか…。

というわけで前回までの話はこちら。

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PC3 ファミリーマートつくば桜金田店 - PC4 セブンイレブン茂木バイパス

結局PC3を出たのは13時ちょっと前。ここまで150km弱走ってきて思ったのは「陰がない」こと。一瞬たりとも影に入らないので全然休まらない。時間帯的に仕方ないところはあるんですが、アップダウンはあるもののほぼほぼThe平野みたいなところを走っているから影になりやすいものがないというのも手伝って、結果影がないところを延々走ることになってしまっている。これは過酷…。

なにはともあれ田んぼに囲まれたこのあたりは平坦(影がない!!)なので、少しスピードが出せた。そしてついに相見える不動峠。距離にして4km弱、270m程度のアップ。平均勾配は7%前後。元気ならたいしたことがない何の変哲もない峠道。そう、問題は「元気ならたいしたことがない」のであって、この時点で全然元気がないどころか、頭痛がひどいし、ジリジリ元気な太陽に焼かれて疲労がたまっている中で、峠突入はきつい。

突入してしばらくは「なんとかいけそう…か?」と思っていたけど、速攻で諦めた。インナーローで無理やり登る消極的戦略に切り替えてじっくり登っていく。やけに時間が長く感じる。コーナーごとに出てくる親切設計の残りコーナー数表示が「まだ全然先は長い」と精神的に追い打ちをかけてくる。

暑い…真っ昼間で太陽が一番元気な時間帯なのもあるけど、不動峠には木陰が全然ない。蒸し暑さの中登っているとときおり道のそばから水の音が聴こえる。おそらく水が湧いているのだろう。水が湧いていて汲めるようになっているなら今すぐにでも自転車を降りて頭を突っ込みたい衝動に駆られながらゆっくり登る。降りたい…降りたい…押したい…歩きたい…もう少し…。今にも止まりそうな速度で、精神力だけで登る。

この頃、頭痛以外にも手のひらにも異常が出始めていた。季節的に仕方ないけど、グローブが汗や水によって濡れ続けていたせいで、手の皮がふやけてきていた。そのせいかハンドルを握る手が痛い。

どうにかこうにか不動峠を登りきった。とりあえず記念的に写真を撮る。そういえば、今回余裕がなさすぎて写真が全然ない。特に1日目。

写真のデータを見ると撮ったのは13:55。PC3から16km程度で1時間程度かかっていた様子。登りきったは良いけど疲れ切っているので、少し一休みする。心拍も上がりっぱなしで息も絶え絶えという死に体。気を取り直してリスタート。下りで回復しよう…と思ったのもつかの間、裏側の路面が荒れてて手に響く。嘘…。あまりの手の痛さに一度降りる。あと下りなのに全然風を感じなくて暑い。薄々と感じていたけど、サイクルキャップが熱の放出を邪魔している気がしたので、このタイミングで脱ぐ。キャップは頭皮を直射日光から守る意味でもあったほうがいいと思っていたんだけど、この炎天下で水をかけていると熱気がこもる原因になっていた様子。

サイクルキャップを脱いで、水を被って気合を入れて下ることにした。頭に風が入ってきて少しだけ頭痛が和らいだ。手は痛いけど、我慢する。頑張れ、私。どうにか峠を下りきった。また大きな道にでる。フルーツラインという可愛い名前の道路だけど、実際は冷酷無比なだだっ広い道路。PC3を後にしてからそんなに時間が経っていないけど、頭から冷たい水をかぶりまくりたい気持ちだった。途中走りながら民家に突撃して外の水道貸してくれませんか?って言ったら貸してくれないかな…などと考えるほどに暑さに参っていた。

途中で通りすぎたあとに思ったけど、いばらきフラワーパークという施設があって、ああいう施設なら外に公衆トイレがあって水道借りれたのではー…とか考えたりした。相当疲れていた。相変わらず道路に起伏があってアップしたりダウンしたりする。少し飲み物が心許なくなってきたし甘いものが飲みたかったので、途中にあった自販機を使おうと思ったんだけど、何故か手持ちの小銭の半分が入れたそばから排出されるという…。お金飲まれるよりはマシだけど。悪戦苦闘していたら、後ろからきたランドヌールに追い越されたので、コンビニに行くまで我慢することにした。

しばらく進むとセイコーマートがあらわれた。しかし、お店の立地のせいかヤンチャな方々が多数いらっしゃったので、このお店はスキップすることにした。それにしても広大な田畑と広い道路、そしてセイコーマート。ここはもしかして北海道なのでは…すごく暑いけど…(※茨城です)。

事前に調べた限りだと不動峠から道祖神峠までの間にはいくつかコンビニがあったはず。しばらく進むとセイコーマートを見つけた。セイコーマート石岡宇治会店。少しお腹が空いていたので一旦食べ物などを調達することにする。

ルートひいてるときにセイコーマートの存在に気付いていたから、セイコーマートに立ち寄ることがあればセイコーマートぽいものを買って食べようと思っていたのに、疲れ切っていた私にそんな余裕もなし。買ったものをお店の影に入ってすべて流し込む。ドクペはもちろん振って炭酸を抜いた。私に抜けない炭酸はない。

お店の影には私以外にも地元サイクリストが休んでいたり、バイクに乗ったカップルが楽しそうに過ごしていたけど、私はこのあとどうするかしか頭になかった。このまま走って大丈夫なのか?走れるのか?成田まで行けるのか?そんなことばかり考える。

もう一度店内に入って冷凍の麦茶を2本購入。時刻は14:55。熱中症について調べてとりあえず脇に挟んでみたり、手で握ってみたりした。少し休んで元気が出てきたのでリスタートすることにした。

暑い。アームカバー、レッグカバーを持ってこなかったことを後悔しながら走る。暑い。耳が焼けるのを感じる。日焼け止めは持っていたし、腕や脚には塗ったけど、顔や首は全く塗ってなかった。経験上、耳が日焼けして痛くなることがなかったのもある。朝見かけたランドヌール/ランドヌーズはみんなアームカバー、レッグカバーをつけてたな…あれはやっぱり先人の知恵なんだな…と後悔しながら走る。

3kmと走らずに道祖神峠に突入した。ここも不動峠とコースプロファイル的には大差なく、距離3.5km、約255m程度のアップ、平均勾配は8.5%程度の小さい峠。そう小さいはず…なんだけど全然踏めない。インナーローにしているのに踏めない。熱中症なのか、燃料不足なのか。堪らず自転車を降りた。3kmって自転車を押し歩いたらどんだけかかるんだろう?分からない。分からないけど、先に進む以外に選択肢はないので押し歩く。

太陽がジリジリと耳を焦がす。暑い。サイコンに表示されている心拍計が押し歩いているにも関わらず150bpmを叩き出している。息もあがったまま。少しずつ峠の一番上に近づいてはいるんだけど、本当に少しずつ。DNFの文字が脳裏をよぎる。今すぐ来た道を引き返してDNFしたら楽になれるんじゃないか。そんなことを考えてしまう。自転車を押していると、4人ほどのランドヌールが通り過ぎていく。あの人たちと同じように走れない今、この先に進んで完走できるのだろうか。心は折れてたけど、不思議と前には進んでいた。

少し斜面がゆるくなってきたところで、自転車に乗りなおす。どうにか進んで文字通り峠を越えた。今回は立ち止まりたくなかったので、そのまま下っていく。しばらく下っていると手足が痺れるような違和感を覚えた。道端に見えたわずかな木陰に避難する。頭痛が収まらないのに加えて、吐きそうな気持ち悪さも追加されててどうしようもない。スマホで改めて調べなくても熱中症だなーと思った。幸い凍っていたペットボトルを2本持っていたので、グローブを外して握りしめる。進もうにも進めないので、その場に立ち尽くす。文字通り立ち往生。通り過ぎていくランドヌールを数人見送る。

これは流石にDNFするか…。スマホGoogle Mapを見るとPC4の20km程度手前のセブンイレブン笠間来栖店まであと5kmほど走ると到着するらしいことがわかった。DNFするにしても笠間駅から輪行しないといけないし、とりあえずあと5km走ろう。少し頭痛が収まったのを見計らって、手足の異常がないことも確認して、ゆっくり走ることにした。

どうにかセブンイレブン笠間来栖店に到着した。時刻は16:22。買い物をする。

  • 冷凍麦茶500ml
  • カルピスソルティレモン
  • 水2L
  • ラムネバー(美味しそうだった…)

お店の裏手しか影ができてなかったので、裏手まで歩いていって休憩する。頭に水をかけて、ペットボトルを脇に挟んで身体を冷やす。このあたりでようやく全体の1/3にあたる200km地点だった。アイスを食べながら考える。DNFするのか。200km走っただけなのにDNF…?本当に…?何のために袖ヶ浦まできて前泊したの?こんなにボロボロになってるんだから仕方ないよね?きっと他の人もDNFしてるよね?色んな想いが駆け巡りDNFするか逡巡する。しばらくして出した答えが…。

日陰から出て自転車に戻るとランドヌールが沢山いた。もう私はDNFするんだ。そう思いながらも、他の人に暑いですねーと話しかけていた。「今日どこまで行くんですかー?」と何気なく聞いてみたら「今日…というか、とりあえず400km地点付近にある健康ランドまで走ろうかと」「え、それ何時に到着する予定なんですか?」「朝5時くらい。そのくらいだと安くなってるんだよねw」思いもよらぬ答えが返ってきた。すごい。確かにこれだけ暑いし、夜間に距離を稼いで朝方少し仮眠してから出発するのも悪くないよな…。

もうひとり別の人にも話かけてみる。「DNFしようと思ってて…」プーさんのジャージを着ていた人は「熱中症?足に力が入らなくなったらおしまいだよ」と言ってくれた。気遣ってくれての発言だったと思うんだけど、私は真逆の意味で受け取ってしまった、「足…力入るな…」。よし、もう少しだけ頑張ってみよう1。PC4まで20kmしかないし、幸か不幸かDNFするか悩んでいる間に身体も回復した上に、太陽が傾いてくれたおかげで先程までと比べると暑さがずいぶんと和らいだ。

そんなこんなで前言撤回。水をボトルに詰め替えて、準備をして走り始めることができた。どうせあと20km。とりあえず20km。最悪1.5hもあればPCに辿り着けるはず。走り始めて思いの外、足がしっかりまわるので安心した。弱気になっていたのが嘘のよう。

少し登っていくと栃木県があらわれた。千葉と茨城を走るだけだと思っていたんだけど、もてぎってそうか栃木か!とここで納得。

あとは淡々と走っていく。幸いここからは下り基調だったのも手伝って楽に走ることができた。というわけでPC4に到着。AJ千葉のスタッフさんに名前を聞かれる。今までになかったパターンなのでよく分からないけど、参加者がちゃんと走れているかの確認なのかな。

PC4, セブンイレブン茂木バイパス店, 18:00着, 216km地点。グロス18.78km/hでここまで来たことになる。想像以上にまだ走れることが分かったので、今日はもうDNFしないことに決めた。350km地点の成田まで走り切る。残り約135km。まだ慌てる時間じゃない!

そうと決まればここでやることはただひとつ。しっかり食事を摂る。というわけで色々買った。

  • カツ丼
  • BIGポークフランク(これ好き)
  • チョコオールドファッション(これも好き)

残り135kmを走り切るにはエネルギー不足に陥らないことが肝要だと考えて、とりあえず食べることに。ちなみに胃腸の強さにはそれなりに自信がある。

車止めに腰を預けてご飯を食べていると、続々と参加者が入ってくる。カッコいいクロモリに乗ったランドヌーズが入ってきたり2、男女ペアで一緒に走ってる参加者も入ってきて、私がグロッキーなのに対して元気ありそうだったので凄いなと思った。

ご飯を食べ終えて諸々ゴミを捨てて、再スタートを切ることができた。成田まで残り135km、日中の暑さが和らぐ代わりに近付いてきた夕闇。夜間走行が苦手なあやぴーの運命やいかに…。


  1. 笠間駅というのが輪行して袖ヶ浦に戻るには超絶不便だったのも、先へ進むことを後押しする要因ではあった

  2. 後日、凪子さんだと判明する

2022 BRM625もてぎ600(時計まわり)を走ってきた ~ 灼熱と強風を添えて ~ - スタート - PC3

朝早く起きて海浜公園にたどり着いたあやぴーを待ち受けていたのは、見たこともないくらい大量のランドヌール/ランドヌーズ。無事に受付を済ませ、命の次に大事なブルベカードを受け取ったあやぴーは、出走までの時間を持て余しひとり立ち尽くす。第3ウェーブの出発時間となり、走りだすあやぴー、果たして千葉と茨城で何が待ち受けているのか…。

というわけで前回の話はこちら。

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スタート - PC1 セブンイレブン市原原田店

AJ千葉のスタッフさんたちに見送られ出発する。海浜公園を出て例の千葉フォルニアの風景を横目に走っていると早速風が…。いや、風強い。

嘘やんwww風wwwwwww

いや、本当に「w」以外でこの強風を表現する方法が見当たらないんですけど、とにかく正面からの風で笑っちゃいました。風が強いのは想定外だけど、きっとここが海岸に近いからだよね。そう思うことにした。しばらく住宅街であまり風の影響を受けなかったんだけど、T字路で突き当りを右折しようと思って交差点に進入した瞬間、思いっきり横風に吹かれた。慌てずにしっかり減速して曲がっていく。危うくコケるかと思った…。

風はさておき、同じウェーブで先に出発した方たちを順調にパスしながら走っていきます。身内同士で走っている方たちもちらほらいらっしゃるようで羨ましい…。私もいつか一緒に走る仲間ができたらいいなあ。そんなことを考えながら走る。

それにしても日曜の朝早くだとしても、車と全然と言っていいくらいすれ違わない。千葉ってもっと車社会なイメージなんだけど、ルート的にあまりすれ違わないだけなのかしら。ロードバイク乗り的には車とすれ違わないのは助かるのでいいことです。

しばらく走っていると幽谷通りというちょっと怖い名前の通りを抜けて、袖ヶ浦のフォレストファーウェイの近くへと出た。そういえば林道ってキューシートにも書いてあったなーと思いながら、林道へ侵入。すると、後ろにぴたっとついていた方が林道に入った瞬間くるくるーと足をまわして先に行ってしまった。こういう登りは苦手だからあまり飛ばせないんだよなーと思いながら、頑張ってケイデンス上げて登っていく。アップダウンを繰り返していると先ほど追い抜いていったランドヌールに追いついた。

林道を抜けて一般道に出てもペース的にはアップで置いていかれて、平坦と下りで追いついてしまうという感じだったので、もう意識するのをやめて淡々と自分のペースで走ることに集中する。足が合うようなら声をかけて一緒に走ろうかと思ったけど、叶わなかった…。それにしても千葉、案外アップダウンが多いな…?

1時間と少しほど走ったところでぜっとさんを見つけた。ようやく追いついたーと思って「お先に失礼しまーす」と声をかけて抜いていく。やっぱり30分程度では追いつけなかったなー。と、そうこうしていたらPC1に到着。危うく見落として通りすぎるところだった…。

PC1, セブンイレブン市原原田店, 7:57着, 40.6km地点。だいぶ早いペースで走ってきてしまった様子。それにしても休憩しているランドヌール/ランドヌーズが多いこと。まだ1つ目のPCというのもあるとは思うけど、まだまだ団子状態。早速コンビニに入って補給を兼ねてレシートを取ることに。このとき購入したのは

のみ。暑くなりつつあったので、冷凍ペットボトルを保険として買っておく。ボトルの水は飲みきってなかったのでまだ持つだろうと判断。店を出て、inゼリーとコーラを飲んでいると、ぜっとさんがやってきた。コンビニに入って出てきたかと思うと、プリンらしきものなどを買ってきていた。二言三言交わして、ゴミを捨てて私は先を急ぐことに。尚、トイレが混雑していたため、戦略的スキップを選択。そんなに切羽詰まっているわけではないし、ここに留まるより先に進んでトイレに行ったほうがきっと時間的には節約になるはず。

PC1 セブンイレブン市原原田店 - PC2 セブンイレブン印西瀬戸店

PC1を後にした私は淡々と走るのみ、なんだけど、ちょっと待って。なんでこんなにアップダウン激しいの千葉…。うぐいすライン、鳴かぬなら鳴くまでアップダウンさせてみよううぐいす(ほとどぎす)、からきてるのでは。スタート前にぜっとさんと会ったとき、ぜっとさんももてぎは登らないって言ってたのに…平坦って言ってたのに…。

そうこうしていると2人組をキャッチ。楽しそうに話しながら走ってらっしゃるので、途中でパスして前に出させてもらう。出させてもらったんだけど、だがそれがいけなかった…。この区間微妙に信号が多く誉田駅のあたりを走っていたんだと思うんだけど、見事に追いつかれてしまう。いや、追いつかれること自体は問題じゃない、問題なのは後ろについた方がスピーカーで流している音楽だ。

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オオオッ!!サーイレントヴォーイス…ってなんで!?

よりにもよって選曲である。というか、なんだろう2人で話しながら走ってて、まだ午前様で明るいのにスピーカーから音楽流すのいる?よりにもよって選曲!!良いけども!!良いけども!!今じゃない!!笑

走り出すとすぐに距離ができるのですぐに聴こえなくなるけど、耳に残る「オオオッ」。お陰で脳内で無限に「オオオッ」だけが流れ続けることになった、オオオッ。引き離したと思ったら信号運ですぐに追いつかれることを繰り返していたら、次は暁の車が流れてきた。選曲!!

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ガンダムメドレーなのかしら。せめて、キングゲイナーOPならテンション爆上がりするのに…とかなんとか考えながら走っていたら完全にちぎってしまった様子。

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暑い中、しばらくひとりで走っていると目に飛び込んできたひとつの看板。山盛りのかき氷…、え、今すぐお店入って食べたいんだけど…?食べたいんだけど…?cafe ロビンソン、というらしい。次があればブルベの途中でも立ち寄りたい。貯金使い果たしてでも食べたかった…(尚11時オープンなので、今回のもてぎ600だとPC2の制限時間にはどうやっても間に合わなくなると思う)。

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あまり気にしてなかったせいで完全に計画をミスってるんだけど、実はPC1からPC2まで60km弱あってグロス20km/hで走ったとしても3hはかかる計算になっている。このcafeロビンソンを見かけた時点で区間距離の半分程度は走ったことになっていたんだけど、あと30kmで1.5h弱はかかる。

沢山あったボトルの水もだいぶなくなってきている。気温もかなり上がってきていて、既に水を頭にかけながら走り始めていた。PC2まで残り10kmというあたりまできたあたりで水が枯渇気味に。判断能力が落ちていたのか、あと30分ならとりあえず水なしでも走れると思って、そのまま走行することに。というわけでPC2に到着。

PC2, セブンイレブン印西瀬戸店, 10:27着, 100.3km地点。ペース的には悪くなくざっくりグロス25km/hで走れていた。が、駄目だったのが若干頭痛に見舞われていること。とりあえずエネルギー不足感が出始めていたし、こういうときこそ何か食べたほうが良いと経験から理解していたので、コンビニに入ってレシート取得がてら買い物をする。ここでは

  • 冷凍アクエリアス
  • inゼリー(レモン味のやつ)
  • コカコーラ500ml
  • 梅おにぎり
  • 水2l

を購入した。周りを見るとロックアイスの箱?を買って、コーラを入れて箱?をコップ代わりにして飲んでいる方もいた。強い。それにしてもその後の氷はどこへ行くんだろう…。頭から余った水をかぶってる人もいたが、私は流石に人目を気にしてしまい腕にかけるで済ませてしまった(惜しいことをした…!)。

コーラを飲んだり、おにぎりを食べたりしていると、ちらほらとランドヌール/ズが入ってくる。駐車場にいた地元サイクリスト風の方たち(ノット参加者)が入ってきた参加者の方と親しげに話している。そっかー、地元で知り合いなのがたまたまいたのか、と思っていたんだけど、後々考えるとあの地元サイクリスト風の方たちはAJ千葉のスタッフさんたちだったのでは…?と思うようになったんだけど、真相は不明です。

そうして私はPC2を後に…しようとしたときにガンダムメドレーの方が入ってきた。さよならガンダムメドレーの人、私は先に行かせてもらいます…!

PC2 セブンイレブン印西瀬戸店 - PC3 ファミリーマートつくば桜金田店

PC2を出てしばらくは静かな農道チックな道が続く。このあたりは暑さにやられはじめているので、記憶もおぼろ(あかん)。10kmほど走ったところで料金所に到着。なるほど、キューシートに20円を用意しておいてって書いてあったのはこれかー、しっかり10円玉を用意するの忘れていたので諦めて50円を投入。お釣りはいらんよ!ここで県境を越えて茨城へ突入、さよなら千葉また後で!

面白い有料道路を抜けて、ひたすら走る。PC2からPC3までは50km程度なのでさっきまでのペースなら2時間で走りきれる…はず、そんな皮算用をしながら走っているとミスコース。曲がらないといけない交差点を直進してしまったので、1マス休み。戻って走り直していると大きな大仏が見えてくる。

熊本にいた頃、久留米の方に車で走っていくと見かける巨大大仏があって、完全にそれのイメージがあった。ちなみに久留米の大仏は今調べると成田山というところにある救世慈母大観音というらしい。全長62m。

www.kurume-naritasan.or.jp

私が今回茨城で見かけた像は牛久大仏というらしく、全長120m…。そんな立派なものとはつゆ知らず、失礼をいたしました。

daibutu.net

大仏を見上げながら走っていると残り20km程度で次のPC。頭痛がかなりひどくなってきていたけど、水を被ったり飲みつつ誤魔化し誤魔化し走る。最後、例によって水が枯渇したけど走りきってなんとかPC3に到着。

PC3, ファミリーマートつくば桜金田店, 12:32着, 147.4km地点。到着と同時にサイクリストぽい方に「お疲れ様でーす」と話しかけられる。「お疲れ様です」と返すけど、ブルベ参加者ではないのか、反射ベストを着ていない。「サイコンが暑くなると落ちちゃうから外して持っていくといいですよー」とアドバイスを貰ったけど、サイコン外す元気もなかったのでヘルメットとサイクルキャップを脱いで被せていく。「暑いですよねー、中にイートインあるから中で食べるといいですよ」「本当ですか?ありがとうございます!」この人はなんでこんなに親切にしてくれるんだろう…不思議に思いつつ店内に入る。

とりあえず、頭痛がひどいのでとりあえずは食事をするだけしようと思い、まずは食事分だけ購入。

  • ざるそば&いなりセット
  • おーいお茶濃い方600ml

イートインの窓から離れている側には先客がいるようだったので、窓際に座る。…暑い。店内がそもそもそこまで冷房ガッツリという感じで冷えているわけではないのと、窓際なのもあって暑い。しかし、外よりは圧倒的にマシというなんとも言えないポジション。

後から来たランドヌールもイートインに座り食事を開始する。お互い「暑いですね」「本当に…!」という言葉を交わしつつ、この先に「不動峠」と「道祖神峠」という峠が待ち構えていると聞くことができた。そういえばルート引くときにそういうのあったなーと思いつつ、そこまで大きな峠ではなかったよなーと思い返していた。不動峠はちゃんと峠という認識をしていたけど、道祖神は峠だったんだとここで知る。食事をして600mlのお茶も飲みきったので、補給を買い足す。

塩分とミネラル大事、という雑認識のもとinゼリーを買い足した。コンビニから出ると先程アドバイスをくれた方がまだいる。あれ?参加者じゃないのかな?まあいいや。inゼリーを飲み切って、ボトルに水を入れる。流石に頭に水をかけた。わりと休憩したし、ちゃんとまた元気に走れるといいなと思いつつPC3を後にした。

出発から6時間程度で150km弱。日差しが滅法強く、熱風に吹かれる中の600kmブルベ、まだまだ1/4というところで次はいよいよ不動峠道祖神峠と戦うことに…あやぴーの運命やいかに…。

2022 BRM625もてぎ600(時計まわり)を走ってきた ~ 灼熱と強風を添えて ~ - 事前準備 - スタート

今年はSR取得を目指していて、200,300のみ完走しているので残りの400,600を完走したいのもあり、今回もてぎ600に挑戦することにした。

300に挑戦したのは4月だったので、2ヶ月ぶりのブルベです。この間、本当は400も600もエントリーしていたんですが、雨天のためDNSしていたし、富士ヒルがあったりしたのでこのタイミングとなりました(雨天走行の経験がなく、雨天デビューは200, 300あたりからにしたい気持ち…)。 bicycle-ayato-p.hateblo.jp

それでは今回のブルベにつらつら書いていくので、楽しんで読んでもらえればと。

誰?千葉、茨城は山がなくて平坦って言ったの…

事前準備 - 持ち物

エントリーしたときは季節的に雨も想定していたが、ある程度の一時的な雨までなら走るつもりでいた。そのため、富士ヒルのときに買っておいたレインウェアをサドルバッグに入れた。

寒いことはあまり想定していなかったけど念の為にいつものウィンドジャケットも入れておく。あまり登るほど登らないはず…だけど知らない土地なので何があるかわからないし…。

前照灯は2灯つける必要があるので、今回は少し装備を変更してVap CyclingのButterfly 2をつけていく(リンクはバージョン上がって3になってるけど)。 vapcycling.com

前に鬼怒川600を走ったときはいつものサイコンマウントの下側にGo Proマウントでつけた+CATEYEのフレックスタイトでハンドル直付けをしたけど、今回はハンドルバーバッグを取り付けたかったのもありButterfly 2側にライトをつけることにした。

MESH POCKET BAR BAG X-PAC V2 (BLACK)movement-cycle.com

ハンドルバーバッグにはいつも入れてる工具類やパンクしたとき用のチューブ、ポンプ、PEKOさんの輪行袋などが入っている。今回は一応粉飴の類も入れた。これでダウンチューブにツールケースを取り付けなくてよくなった。

サドルバッグはオルトリーブのサドルバッグ2にした。私にしては大きめ。服装は季節的に半袖短パンでいいと思ったので、半袖短パンにサイクルキャップとネックゲイター(もはやお守り)にいつも使ってるIntroのハーフフィンガーグローブ(パッドがない)などの軽装。ヘルメットは少しでも軽くしたいのでSMITHはお留守番でOGKのIzanagiにした、このあたりは過去のブルベからの学びで可能な限り頭は軽い方がいい。アイウェアはSMITHの調光レンズ、夜間走行は調光じゃないと無理なので。

smithjapan.co.jp

それにジャージを送るより洗う選択をしたので、洗っている間に着るようの衣類も放り込んでおいた。あとはコンタクトレンズと日焼け止めを入れて完璧。コンタクトレンズは装着時間がどうしても長くなってくると異物感がすごいので、ブルベのときはメガネで走りたいんだけど、OGKのAERO R2が発売されるまでの我慢(R1でもいいけど、R2出るってわかってるので…)。

事前準備 - 戦略?

あとはキューシートを読み込んだり、宿の手配などをしなければならない。まずはいつもどおりキューシートを読む、読みながらルートをひいていく。相変わらず330Kさんのツールに頼ってる。今回は興津600を走ろうとしたときに試した方法でルートを引いていく。Ride with GPSでPCごとに区間を区切ってルートを引いていく、そうするとどうしても途中で狂う総距離の誤差を小さくできることに気がついた。

ちなみにAJ千葉のキューシートでは「各PCからの距離」を出していなかったので、キューシートをSpreadsheetで読み込んで自分用に項目を追加した(画像のコントロール距離がそれにあたる)。

例によって地理院標高プラグインは使っている。今回はそれに加えてGPX to TCX Converterも使わせてもらうことに。これによって、わざわざGarmin Connect上でルートにウェイポイントを付加する必要がなくなったのは本当に快適(Edge530をPCに接続するときがちょっと面倒だけど)。

www.330k.info

それから今回もルート沿いのコンビニ、道の駅調査は怠らない。ただ今回は鬼怒川600のときと違って、山しかない、みたいな区間がほとんどなく、20km走れば最低でもひとつはコンビニがあるという易しいコースだった(蓋を開けるとこの認識が誤りだったことに気づくわけだけど、それはまた後の話)。

www.330k.info

最後にひいたルートを全部Ride with GPSのルートプランナー上で繋げて、AJ千葉さんが公開している参考ルートと比較をして完了。今回このツール使って良かったのが、ルートを接続したりしたときの副作用なのか、意図しないルートが一部あってそれを事前に修正できたのがよかった。

www.330k.info

余談にはなるんだけど、AJ千葉のキューシート読んだときに思ったのがAJたまがわのキューシートがめちゃくちゃ易しいっていうこと。ある程度、書いた人に依るんだとは思うけど、鬼怒川600とか籠坂200のキューシートはかなり読みやすかったし、理解がしやすかったんですよね。キューごとに何交差点かーとか、近くに何があるとかが書いてあるので、ルートひくときにかなり参考になる。AJ千葉のキューシートはそういう観点で言えば、かなりそっけないというか、ハードルが高い印象(ルートひきながら、こっちとあっちの曲がり角はどっちだろう…?とか最後に比較するまでよく分からないところもあった)。

話を戻して、後は走行中にどこに泊まるかを決める必要がある。言い方を変えるとどこでまとまった休息を取るか。鬼怒川600の教訓としては350kmも走るとくたびれているから、できるだけルート上から外れない方がいいということ。その条件で調べると350km地点にちょうど快活クラブがあることに気がついた。もはや宿泊施設ではないけど、経験として泊まってみるのも悪くないだろうと思い快活クラブを利用することに決めた。Web予約もできるようだったんだけど、遅かったので予約不可でした。当日行くだけ行ってみることにして後は何も考えないことにした。あ、事前に仮会員証を発行して免許証(身分証明書)を携行することだけ気をつけました。

出発前日

今回は千葉の袖ヶ浦海浜公園スタートなので当日移動だと間に合わないため、前日の移動を行った。少し狙ったんだけど、富士ヒル翌週の週末から1週間の休みを取っていて、仕事が休みだったのもあって16時くらいに家を出た。そこから電車を乗り継いで袖ヶ浦駅へ。通勤ラッシュを避けたはずなのに、蘇我駅で2回も電車が止まったりした影響で見事に満員電車に進化した…。

袖ヶ浦駅になんとかついたら東横インにそのままログイン。うっかり学生料金で予約しちゃってたみたいで、受付で「学生証見せてください」って言われて「あ、学生じゃないです、ごめんなさい」って言うはめに。

荷物をすべて部屋に置いて、前日最後の補給に向かう。近くに寿司屋の雰囲気を感じたので、寿司屋にした。

yamato-f.jp

ご飯を食べていると職場から連絡…。ちらほらと問題が起こってそうなことは察知していたけど、まさか連絡がくるとは…。とりあえず、寿司屋を後にして対応することに。問題が無事解決されそうだったので、もう少しお腹に何かを入れたいのと明日の朝の朝食の準備をするべくコンビニへ。ホテルの目と鼻の先にコンビニがあって良かった。ちなみに東横インの場合、朝食サービスがあるんだけど、出発時間より後なんですよね。というわけでコンビニへ。

足で開けられるようにしたコンビニの冷蔵庫、斬新。権利放棄書を印刷するの忘れていたので、このタイミングでネットプリント。食べ物を買って部屋に戻る。何気なくテレビ見てると、明日は暑くなるとアナウンサーが話している。なんでも西の方から熱気がやってくるのだとかなんだとか…。まじで…明日暑いの…?

気がつけば22時になっていたので、4時に起きるためにも寝ることにした。

1日目起床 ~ スタート

しっかり午前4時に目が覚める。目が覚めたのはいいけど、眠気がないわけではない。もうちょっと早めに寝ればよかった、しまった…。600は1日目が終わるタイミングである程度まとまって寝ることができるけど、疲れや興奮状態からあまりしっかり寝れなかった、というのが前回だった。そのため前日どれだけ寝ることができるかはそれなりに重要だというのに…。

眠いなと思いながら支度をしていく。一度荷物を広げてコンタクトや必要なものがしっかりと入っているかを確認する。今回、荷物預かりがあるので袖ヶ浦に来るまでに身に着けていたものなどはリュックに入れてしまう。メガネケースと眼鏡はサドルバッグに入れておく。

今回は前回の西上州300と同じくダブルボトルで臨むことにしているので、水をしっかり入れる。600mlと500ml入るボトルの2本で、片方にはカーボドリンクパウダーとEAAを入れておく。片方は真水で片方は栄養を入れるのが最近の定番。

昨晩用意しておいたご飯1を1Fロビーに置いてある電子レンジで温めて、部屋に戻って食べる。身支度を済ませて5時ちょっと前に、自転車を持ってチェックアウト。外に出ると風が吹き荒れている。他の参加者と思わしき方もちらほらと降りてきてホテルの外で輪行解除をしている。ちらっと見えたけど、自転車そのままでエレベーターから降りてきた人がいて「あれ?輪行しなくても持ち込めたのかな?」と思った。今度から確認してみよう。

輪行解除をしているとPEKOさん輪行袋が飛んできた。隣で輪行解除している方のだ。いやー、これだけ軽いと飛びますよねーって感じで朝からほっこり。私は準備ができたので、Garmin Edgeを起動してスタート地点まで連れて行ってもらう。

強風の中走っていると千葉フォルニアが見えてきた。これが有名な千葉のカルフォルニア!とのんびりしていると参加者と思わしきローディーが続々と海浜公園の方へと走っていく。私も急がなくては。5時半よりちょっと前に無事到着。

受付で名前を告げて"命の次に大事なブルベカード"を受け取る。わりと遅かった到着だったため、第3ウェーブに振り分けられる。6時発の方たちと比較すると30分後のスタートです。そして荷物を預けてさせてもらう。荷物預かりできるブルベ初めてでドキドキするけど、よろしくお願いします。

あたりを見渡すと私が参加したことがあるブルベの中では過去最高の人数だった。後で知ったんだけど600の時計/反時計以外にも300の時計/反時計もあったようで、都合4種類のBRMが同時開催されていたらしい。人数もすごいけどランドヌーズがちらほらいることにも驚きだった。過去走ったことがあるブルベではあまりお見かけしなかったので、こんなにいるとは思わなかった。キョロキョロしているといないはずのぜっとさんの姿を見つけた。あれ、直前までだいぶ迷ってらっしゃったけど来たんだと思って嬉しくなる。知り合いが走ってると知るとちょっと嬉しい。

先程受け取ったブルベカードに記入する。相変わらずブルベカードの書き方がよくわかってない笑 名前は間違えないようになったけど、住所は日本語で良いんだっけ駄目なんだっけ?とか考えながらとりあえず書く。安定のコミュ障を発揮しているため、人に聞くなんて器用なことができない。

一応、今回ブリーフィングが5時半から、というスケジュールになっていたものの、昨今の情勢から当日のブリーフィングはなかった。公開ページには確かにブリーフィングをやらないとあったけど、本当にやらないとは思ってなかった。ブリーフィングがないということは私が走り始めるまで1時間の暇があるということ。…情熱を、持て余す。

しばらくすると6時出発の第1ウェーブ向けに車検がはじまった。AJ千葉のスタッフさんが叫んでいたようだけど、正直何も聞こえていなくて、雰囲気で車検をはじめることだけが分かったので人々に続いて集まる。ぜっとさんの近くに行き挨拶をすると、私が誰だか分からない様子。私に目をやり、その次に自転車に目をやり「ああ、あやぴー」と納得した様子。これが自転車乗り。

ぜっとさんは第2ウェーブらしく6時15分発らしい。出発して「30分もあれば追いつかれるね」なんて言われたけど、それは流石に無理ってものです。少し話をしてぜっとさんと別れる、しばらくぼっちなので、周りを観察してみる。カールおじさんを反射ベストに付けた人。Insta360をハンドルバーに付けた人。カラクルにフル装備させた人。なんというか、異種格闘技もびっくりなくらい色んな人がいる。

第2ウェーブを見送ってもうしばらくで自分たちの出走順なので、最後にお手洗いに行っておくことにした。しばらく待つと車検となり無事に出発することができました。頑張るぞ…!


  1. 大盛りペペロンチーノ

私の富士ヒル - 2022

2022年の富士ヒルが終わった。結果は想定の範囲内だったけど、82分でブロンズとなりました。悔しいと言えば悔しいけど、やれることやりきったかと言われると「?」マークが浮かんでくるのである意味当然の結果として受け入れることにした。悔しいので色々と書き残しておくことにする。

悔しい

今年の1/22にヤビツ走ったときコンビニスタートのセグメントで35分 ave290W 74.9kg(ざっくり3.86倍)で駆け上っていて、単純に2倍すればいいというものではないけど、富士ヒルでシルバーが現実的に目指せる実力がついてきていたと思う。

その直後、流行りの感染症に罹ってしまい1ヶ月近くちゃんと走れないという状態が続いた。改めて乗り始めることができた頃にはなかなか身体が動かないという状態が続いたし、しばらくは強度をあげると胸に違和感がある状態が度々あった。2月末にFTPを計測したら270Wとなっていた。

そこからうまく立ち直せれば良かったんだけど、トレーニングする時間をうまく捻出できなかったりしたのもあって、FTPは270W1のまま富士ヒルを迎えることになってしまった。

後述するけど、今年は試走もできなかったので、去年の記憶で本番を迎えることになったのも痛かった。試走ができていたら、もう少し戦略的に走れた気がするのも後悔している。

余計に悔しいのは脳内サイクリングのシミュレーションだと、今の実力でもちゃんと出し切れれば75分に近づくことができることが分かっていたこと2。当日の天候やトレインなど外部要因が重なってくることは予想できていたけど、それでも80分は切れるのでは?と考えていた。

走り終わったときは悔しいなってちょっと思ってただけだけど、書いてたら余計悔しくなってきたな…。

試走、失敗…

5/28(土)、この日の予報は晴れ。私を含むいつも一緒に走るメンバー4人で富士ヒル直前最初で最後の試走に行くことに。いつも通り商用車ハイエースを借りて、朝7時に都内某所に集合して自転車を詰め込み、高速を運転する。いつも通り談合坂にちょっと寄りつつ、北麓公園に10時頃到着。

この日は天気もよく、いろんなところでよく見かけるチームジャージをまとったサイクリストが北麓公園には沢山いてかなり賑わっていました。快晴で気持ちよく晴れており、絶好の試走日和でした。

一緒に行ったメンバー全員が準備できたところで、料金所に向かう。ちょっと出遅れてしまい、できるだけ踏みたくなかったのでそろそろと走っていたんですが、北麓公園からあがったところの丁字路でまさかのアクシデント発生…。

丁字路に地味に残っている砂利にハンドルを見事に取られて右側に自転車を倒してしまう。スピードが乗っていなかったので、人間はなんともなかったんだけど、このときの衝撃でディレイラーハンガーが見事に歪んでしまい、ローギアに入れるとタイヤと干渉してしまう状態に陥った。

流石にそのまま走ることができないので、先に料金所に向かってしまったメンバーのもとに行き、お留守番を宣言。こうして私の最初で最後の試走が終わった…。一緒に行ったみんなが降りてくるのを待ち、その後お昼ご飯を食べた。

38kawaguchiko、パスタの量がデフォルトで多くて、とても美味しかったのでオススメです。

38kawaguchiko.com

翌週にまた走りにくることも考えたけど、カジュアルに行くにはいささか距離が遠いので見送った。その代わり?都民の森で最後のヒルクライム練習をした。ただ、やっぱりというか、なんというか、アップダウンが激しいコースなので、全然登りの練習には向いていないなと改めて実感した。

準備編

今回は去年の富士ヒル本番の反省を踏まえて寒さと雨対策を入念にしておいた。

  • NAQI / ウォームジェルコンペティション3
  • 白色ワセリン
  • Rain Hopper(アイウェアに雨粒がつかないって噂のやつ)
  • レインジャケット
  • シューズカバー
  • ボトルに入れるようのEAAと糖

ウォームジェルは今まで厳冬期でも使ったことなかったので、今回初購入初使用。そのため本番の数日前に東京都心の晴れた日に試すことになった…。ウォームジェル、たいていの商品で「トウガラシ」が入っているらしく、肌に合う合わないがあるので買っていきなり本番投入、はやめたほうがいいと思う。実際、想像以上に効果があって焦りました。

去年は雨天が想定されたにも関わらずレインジャケットを用意してこなかったので、前日にワークマンで適当なカッパ(?)を買った記憶。ちなみに今回はワークマンカッパを下山装備に入れて、レインジャケットは当日装備として持っていきました。仮に着て登ったとして、途中で内側も濡れていると思うし、出走したタイミングで降ってなければレインジャケットは置いていくけど、去年みたいに途中から降り出して下りは雨ということも考えられたので念には念を入れた形です。

最後にえーぞうさんが公開しているブログを見ながら、忘れ物ないかチェックしてました。去年はよりにもよってシューズ忘れるというハプニングがあったので、今年は忘れないぞ、という強い気持ちでチェックしました。

下山用のサドルバッグには結局以下のものを詰め込んだ。

  • 春夏秋用インナー
  • 冬用長袖インナー
  • ジャケット
  • 雨冬用手袋
  • カッパ
  • ライト
  • いつも携行しているポーチ(少しだけお金とティッシュとか入ってる)
  • 脱いだもの入れる用袋

本番前日

本番前日は朝から起きて9時に都内某所集合だったので、8時に近くのレンタカーでいつものハイエースをレンタルした。もはや慣れたもので自宅周辺の一方通行地獄を一筆書きの要領でするすると走り、自宅前に停めて荷物をドタバタ詰め込む。

  • 自転車/ボトル/サイコン
  • シューズ/シューズカバー
  • ヘルメット/アイウェア
  • 空気入れ
  • 下山荷物を詰めたサドルバッグ
  • 当日用のウェアと着替え、その他準備物の入ったリュック

それぞれまとめていたので車との往復回数が減ったし忘れ物がなくなった気がする…!私の荷物を積んだところで、全員を回収するために都内某所に向かう。身体の前後にリュックを背負って(?)自転車に乗って汗だくになりながらやってきたメンバーや、5分遅刻すると言って10分遅れてきたメンバーもいたけど問題なく全員を車に載せて出発。

やっぱり談合坂で小休止。いつもは私がひとりでフルに運転しているんだけど、今回はみんな協力的で運転を替わってくれることに。負担が減るので助かる…が…ハイエースなんて運転慣れているわけもなくKOWAI思いを何度かした。今度から積極的に運転してもらって慣れてもらおうと心に決めた。

当初予定ではご飯 -> 受付のつもりだったけど、天気が怪しかったので受付 -> ご飯の順番でまわることに。去年はドギーパークに駐車させてもらって、自転車で会場に向かったけど、今年は臨時の大規模駐車場に停めてシャトルバスを利用することに。会場に着いて受付を終えたところでパラパラと雨が降り始めた。

車で行ったメンバーと別に電車で来るメンバーがいて、ちょうどタイミング的にエキスポ会場で会えそうだったので私ともうひとりはエキスポを周りながら待つことに。べじさんやMIROKUさんが挑戦していたエアロフィットブースが気になっていたので、挑戦してきた。全然及ばなかった。

会場でまっていたメンバーと会えたので、宿に迎えに行くと伝えて車に戻り、ホテルに迎えに行ってからランチへ。おおよそ富士ヒル前日に食べるものとは思えないものを食べてました。

moosehills.jp

その後、乗ってた全員をそれぞれ別々の宿に送り届けて、私が最後に自分が泊まる宿へ移動。ちなみに私はここを予約していた。Twitterでかなり前に予約可能になったって話題になったタイミングで予約してしまった。

www.mystays.com

わりと良かったし、近くにスーパー3があったので欲しいものがあればすぐに買いに行けたのも良かった。本番当日の朝に食べるものもしっかりと確保した。来年もひとりで泊まるなら泊まりたいなって思った。

大浴場で汗を流して、翌朝着替えるものを出したり確認をして、ドタバタしなくて済むようにしておいた。そして、少し早いけど20時にはベッドの上で横たわっていた…ら、完全に眠り込んでしまい気がついたら22:30というなんとも中途半端な時間だったので、気合を入れて寝ることに。いつもは無駄に寝付きが良いのに、こういうときに限ってなかなか寝れないんだよなーと思いつつ、寝た。

本番

起きたら6:30だった。私が第4ウェーブで出走するた、え、6時にみんなを回収する予定だったから、スマホに連絡がめちゃくちゃきていてドタバタした…っていう夢を見た。ちゃんと4時に目がさめた。

おおよそレース前に食べるものとは思えないものを食べた。胃腸の調子も悪くない。レースのときに着るジャージをタイトなものにするか悩んでいて、2着持ってきていたんだけど結局タイトな方にした。理由は赤色で目立つから。

天気は「てんきとくらす」と「ウェザーニュース」をチェックしていたんだけど、真反対のことが書かれていた。どちらにしても気温もめちゃくちゃ高いわけじゃないので、ウォームジェルを手首、足首、首に塗る。だいぶ暖かい。雨対策でワセリンもある程度塗っておく。特に擦れたりして痛くなりそうなところを入念に。

淡々と準備をして、車に向かい他のメンバーを拾っていく。今回、私だけが第4ウェーブなので合わせてもらった形になったけど、合わせてくれたのでありがたかった(輪行できたひとり(第3)を除いてみんな第5)。

駐車場はタイムズBで予約した富士五湖聖苑臨時駐車場。車のナビで行こうとしたら、途中でスタッフに「ナビ見て来たでしょ?こっちじゃないよ、あっち」という風に教えてもらって、無事駐車場に到着。

駐車場で最後の支度をして、このタイミングでスタートからしばらくは晴れる方に賭けて、レインジャケットではなくてウィンドジャケット4を着ていくことにした。少なくともスタートまでに身体を冷やしたくなかった。

6時半、全員準備ができたので受付まで移動する。富士五湖聖苑にしたのは正解で、ひたすら下るだけで会場についたので楽だった。アップをするという文脈では軽く登った方がいいのかもしれないけど、疲れを少しでも溜めたくないなら下るだけなのは楽でよかった。でも、来年はアップしたいからちょっと考えるかも。ちょっとローラー欲しくなった。

会場入りしたら、残り10数分で第4ウェーブ出走というタイミングだったので完全によかった。スッとトイレに行って、並ぶ。ちなみに北麓公園で他のメンバーは肌寒いと言っている中、私はポカポカしていたのでウォームジェルの効果は高いなと感じた。

………待つこと数分、第4ウェーブがスタートした。めちゃくちゃ緊張する。周りに知り合いは一人もいない、誰がどんなペースで走るかも分からない。とりあえず1合目まで我慢することを考えながら料金所にさしかかる…。既に心拍170でわけが分からない。挙句のはてにGarminはパフォーマンスコンディションを-4とか伝えてくる。

いや、もうどうしようもないので丁寧にしっかり走ることを意識する。心拍170前後、パワー260前後で淡々と走ろう、そう決めて走り続ける。1合目時点で微妙にシルバータイムからはビハインドしているのが分かっていた。天気が良いのとウォームジェルのおかげで異常に汗が流れてくる。

後のペース配分がよくわからないので、ひたすら脚を止めないことを考える。気がつくと30分が経過していた。ブロンズのペースで走っているとしたら後1時間しかない。走りながら、ああ、こういうFalse Flatがちらほらあったよなーと思い出す。私が得意な区間なのに出力を上げきれない。コースが分からないからビビってしまって、完走することしか気持ちがフォーカスできていない。

ちらほら後ろから追い上げてくるトレインがあるので、乗っかろうと試みるけどすぐに置いて行かれてしまう。冷静に考えて私を追い抜いていってるんだから、私より速い人たちなので脚が合うわけがないのである。

結局ほとんど一人旅をしながら心拍を極端に上げすぎず脚を止めないことばかりを考えていた。ふとしたときに80分を目指すなら後30分しかない…後20分しかない…と気付くけどもうペースが本当に分からない。走ってる途中で後ろから脚の太さを褒められる。本当にありがとうございます、脚が太いのだけが取り柄です。

最後の平坦区間に入る直前からすごい勢いの集団が追い抜いていったけど、それを追いかける元気はなく平坦になってから頑張って踏む。踏んだけど240Wしか出ていなかったらしい。残念すぎる。ちなみにこの区間は去年の方が踏めていた。

そして、最後のラスト手前でもう垂れてしまって元気がなかったんだけど、第3ウェーブで先に上がっていたメンバーが「あやぴーさん、ファイトー」って声をかけてくれたので、最後のひと踏ん張りをしてゴールまで駆け上がることができた。結果は80分には後2分足りず、シルバーには後7分足りないという結果になった。

ふりかえり

走りきってみて本当に限界まで踏めたか、というとノーだったかなと思う。感覚的なモノだと思うし、「後悔なく全部出しきれた!」っていう人の方がもしかしたら珍しいかもしれないけど、吐くほどしんどかったわけではない。心拍やパワーの限界値を自分で設定して5そこを超えないように、超えないように、という走り方に徹していたのもあって本番特有の興奮状態で脳を騙す、みたいなことができなかった。

一方でIntervals.icuの結果を確認してみるとパワー的にAve 258WというFTP95%の力が出せたことになっていた。一般的には1割減と言われているので、想像以上にパワーが持続しているのかFTPの設定を小さく見積もりすぎているのかのどちらかだとは思う。あとGarmin先生によると最初こそパフォーマンスコンディションはマイナスだったけど、最終的にはずっと+6とかの絶好調だったらしい、なんだそれ。

明確に失敗したな、と思うのはやっぱり走り方。コースを理解していないというか、あまり覚えていないせいで、毎回「ああ、そういえばこういうのあった」という感じになっていて踏むぞと決めるのがどうしてもワンテンポ遅いし、集団が何故今そのスピードで突っ込んでいけるのかを理解していなかった。False Flatが近づいているから多少速く感じる速度で登りきろうとしてるんだな、とか分かっていれば「よし、ついていこう」という判断ができたはずだけど、なんで上げているのか分からないから「いや、それは持続できないから見送るよ」という消極的な判断になっていたなと。

この走る上でどこで上げたり下げたりするかは試走を繰り返していないと身につかないし、やっぱり富士ヒルは富士ヒルだなって改めて感じた。

戦略的に走るという意味では明確に失敗したなと感じるけど、一方でヒルクライムの走り方はうまくなったのかもしれないと今回改めて思った。脚や腰に極端な負担がかからなかったので、82分間しっかり走り続けることができた。伸びしろがあるとすればエアロポジションだろうか。もう少し空気抵抗を減らす走り方ができるとタイムは伸びそうだなと感じた。

体重についても少し言及しておく。私は身長175cmで体重76kgという一般に重量級と評価される身体で今回も臨んでいた。体重については実を言えば去年の富士ヒル時と対比で+3kgということになっている。一般的には富士ヒルに向けて減量を続ける人が多いと思うんだけど、私の場合は基本的には維持し続けることを考えているので、うまくキープできている。加えてジムに通って、足腰を鍛えているので多少昨年比で増えているのは問題ないと考えている。去年比で+3kgの増量を果たして、その上でタイムは4分縮んでいるので頑張ったなとは思う。4分「しか」なのか「も」なのかはちょっとよくわからない。ただ、感覚としてはもう2分は縮んだやろって気持ち。

準備に関して言えば今回は色々と正解だったと思っている。ボトルは500mlを1本にしていたけど、全部は飲みきれなかったし、マルチデキストリンぶどう糖EAAを入れていたおかげで?空腹感もなく走りきることができた。強いて言えばカフェイン入れ損ねたなーってことで、来年はカフェイン入れたい。ウォームジェルも最初はちょっと暑いかもって思ったけど、やっぱりスタート時点で身体が温まってるのは良かったし、途中であまり肌寒さを感じることなく完走できたのでフィジカル的にも良かったし、心理的にも有利だったと思う。忘れ物などがないことも心理的には有利だったと思っていて、あれが足りない、これも足りない、みたいな気持ちじゃなかったのは楽だった。

シューズカバーはパールイズミのものを最初からつけて走ってたんだけど、あれは踵が絶対破けるものなんだなと思いました。シューズカバーはどんなものでも破けるってレビューを見かけるので仕方ないとは思うけど。

それとサイコンはヒルクライムレース用のアクティビティプロフィールを追加していたんだけど、もう少し洗練させたいなと思った。できるだけ気にしたい情報を1ページにまとめてしまいたいし、走っているときに興味ない情報が多すぎた。

あとがき

レース後はみんなでお昼ご飯を食べに行った。Moose Hills Burgerの隣にあるRICETTAへ。ピザがとても美味しかったので、また行きたい。

www.ricetta-jp.com

そして、去年と同じくふじやま温泉へ。本番の汗を流して帰路につく。私より後に走ったメンバーはレース中にトラブルがあったようだったけど、後々見ると鹿に突っ込まれて落車したなどの報告もあったので、全員ちゃんと帰ってこれたのは良かった。

今回は荷物の準備という意味では完璧だったけど、身体をつくる、調子を上げていく、という意味ではまだまだだったなと感じた。気を取り直して、また来年の富士ヒルに向けて練習を重ねたいし、自分でこれを読み返して悔しい気持ちを忘れないようにしたい。

あ、悔しい悔しいばかり書いているけど、去年果たせなかったDaccordiの愛車で完走できたのは素直に嬉しかった。ちょっと泣いたのはここだけの秘密です。

次はブルベだ。気持ちを切り替えて頑張るぞ :)


  1. 余談だけどWahooのSYSTMは4DPという考え方があって、一般的なFTPテストやRampテストとは異なったやり方(Full Frontal Test)でFTPを測るので、微妙に一般的FTPと意味合いが異なります

  2. 体重76kg, 自転車7.5kg, +αの想定

  3. 綿半スーパーセンター富士河口湖

  4. ウィンドブレーカーではなくて、ウィンドジャケットでQ36.5の軽量なやつ。一応風を通すつくりになっているけど、不思議と暖かくも寒くもないくらいになるスグレモノ。

  5. サイコンで上限値アラートを出すようにしていた

BRM423 西上州300(2022)を走ってきた

300kmブルベ完走したし、久しぶりにブログ書くよ

AJたまがわのBRM423西上州300を走ることにした

昨年、鬼怒川を走ってはじまった私のブルベ挑戦記。今回で3回目のブルベ挑戦になります。 ちなみに実はこの前、籠坂200も走って完走しているんだけど、ちょっとブログにし損ねて今に至ります。

私は東京都内に住んでいるのもあり、一応まん延防止等重点措置にも配慮していたので、冬の間は積極的にブルベに挑戦していませんでした(どうせ寒かったのもありますが…)。それとスタート/ゴール地点が近所になるAJたまがわのBRMは、4月から活発化するのもありちょうどこの時期から走り始めることになりました。

今年はSR取れたらいいなーと思っているので、200,300,400,600と全部走りたいと思っているところです。そんなこんなで、西上州300の募集がはじまったので特に何も考えずエントリー。

ajtamagawa.org

鬼怒川600でも夜中までに300km以上を走ることができていたので、距離的な不安はあまりなかったんですが、籠坂200やその翌週にあった富士チャレで「2,3時間元気に走っていて途中でいきなりパワーダウンする」という現象に見舞われてしまっていたので、今回はエネルギー不足に陥らず同じペースで走り切ることを目標として臨みました。

前準備

鬼怒川600を走ったときから愛用しているRide with GPSですが、最近までのアップデートと国土地理院プラグインによって累積獲得標高の誤差が実走とあまり変わらなくなっているので、今回もそれを利用してキューシートを読みながらルートをひきました。

www.330k.info

ルート情報に関しては、各種主催団体が予めひいてくれたものがあるので、ひき直さなくてもって毎回逡巡するんですが、最終的には自分でひいて良かったなと毎回思っています。自分でルートをひくことで、走るルートの理解度が増すので、だいぶ不安がなくなるんですよね。

加えてGoogle Mapのマイマップ機能を使って、同じルートをスマホで確認できるようにしました。

あとはエネルギー不足にならないように蓄えるのみ…。とりあえず同じZwiftチームの人や知人などにどうやったらエネルギー不足にならないかを聴くことに。だいたい答えは一緒でいわゆる「カーボローディング」と言われるものを実践すると良さそうです。

厳密さはさておいて、ポイントは本番の1週間前くらいからできるだけ糖質を多く摂っておくとよさそうで、2日前くらいに少し減らして前日に隙があればひたすら食べる、というのが良いらしい。

というわけで前日はひたすら朝から晩まで食べ続けました。

もう無理…っていうくらい食べたよ

当日の朝

午前4時にスッと起き出して、朝食の準備をする。この日に限ってはいつも以上に食べることを意識した。パスタにしようと思ったけど、朝からお湯を沸かして茹でる暇がなかったので、代替として蕎麦にした。二束ほど湯がいて食べる。正直、多過ぎるが我慢。それに加えてパンを少々食べる。これでしばらくは大丈夫だろうっていうくらい詰め込んだ。最後にコーヒーを流し込んで準備完了。

この日の天気は晴れのち曇りとかそんな感じだったし、前日までは若干雨も予報で出てたりしたけど、晴れることを祈って半袖ジャージ、ビブショーツで行くことに。そうそう、AJたまがわのジャージも手に入れたので、それを着ていきました。

しっかり日焼け止めを塗って、愛用しているQ36.5のウィンドジャケットをサドルバッグに詰めて準備完了。この日はちょっと重いけどSMITHのヘルメット(Trace)とSMITHの調光レンズ付きアイウェアで行くことにした。

www.q36-5.com

というわけで出発 :)

集合&ブリーフィング、出発まで

私は6時発の組でエントリーしているので、5時半より早く着いておきたかったんだけど、ちょっと手間取ってしまったため5時半を少し過ぎたくらいで集合場所に到着。3度目なのでもはやあまり緊張もなく、同意書を提出して、出発時間を記入してもらったブルベカードを受け取る、自分の住所を記入してブリーフィングまで待機。私は今回6時10分の出発となった。

見渡すと同じ時間で走るはずのmomさんが見当たらない。DNSかな…?ぜっとさんもいたけど、私が過去参加した回はぜっとさんは走っていないので、ぜっとさんと走りはじめることになるのは初。

ぽけっとしているとブリーフィングが始まった。諸々注意事項などを聞いていると、主催の方から「300kmはじめての人ー」と言われたので、素直に挙手したら「…ああ。でも600走ってたから大丈夫」と言われることに。そういえばどこかで見たなぁと思ったけど、鬼怒川600のときのARGON18の方だった(たぶん)。まさか覚えられているとは笑

ブリーフィングの途中でしれっと入ってくるmomさん。ブリーフィングが無事に終わり、車検と出発待ちになる。6時発の組を見送って、待っているとmomさんがアミノバイタルを一包差し出してくる。先日話したときにエネルギー不足の話をしたので、気遣ってくれた様子。しかし、この日の私は完璧(?)に調整してきたので「大丈夫です!」とやんわり断る。momさんが虫除けスプレーをぜっとさんの足にかけて「一振りうん万円」などという話をしているのを眺めていたら、出発する時間になった。

出発 ~ コントロール2まで

車検を済ませて出発する。個人的には少しトイレに行っておけばよかったかなーという後悔もありつつ、走り始めちゃったのでコントロール1まで我慢することに。この日の目標は「ゆるポタでエネルギー不足にならないように走る」でした。

ぜっとさんやmomさんを置き去りにして走り始めたんだけど、5,6km走ったところで後ろからロードバイクの音が聞こえる…。あれ?と思って振り返るとぜっとさん&momさん一行が…。

追い付いたー
追いつかれたー

momさんに煽られた(煽ってない)ので速度を上げることに(なんで)。とりあえずこの時点で「ゆるポタで」は雲散霧消した。ぜっとさん一行から逃げて(だから、なんで)、しばらく走っているとRIDLEYに乗った速そうな方に追い付いた。見るからにブルベ勢というよりはレース勢みたいな装いで、ちょっとRIDLEY乗ってる方の方がペース速かったのもあり、無理についていかないことにした。…んだけど、信号運が悪くちょっと距離が空いたかと思うとすぐに追い付いてしまうというのを繰り返しているうちに、6時発の先頭まで追い付いてしまった。

先頭を走っていたのはLOOKの方ともうひとりいたんだけど、ここでずっと先頭を走っていたRIDLEYの方はLOOKの方の後ろにつく選択をしたためペースが落ち着く。どちらにしてもコントロール1までは新奥多摩街道の信号多い区間だし、ペースを上げても仕方がないので私もこの方達の後ろに着いていくことした。ペースが絶妙で脚が削れない程度のいい感じのペースだったのもあり、快調快調。

ちなみにLOOKの方は「VCRあおば」という不穏な文字が書かれたジャージを着ていた。「もしかしてこれは"#あおばひどい"で有名な"あおば"なのでは…?」と思ったけど、とりあえず黙って後ろをついていく。

いいペースでコントロール1であるファミリマート青梅成木街道店に到着。この時点で7:57。距離にして42km時点。わりといいペース。ここまでで特に消耗もしてないけど、これから次のコントロールである小鹿野までの間に、小沢峠と山伏峠があるので、山中で食べるものがないのは心細いので少しだけ買い物をする(どちらにしてもレシート貰うために買い物しないとだめだし)。さくっと用を足して、

  • チョコチップスナックパン
  • 水(500ml)
  • inゼリー(エネルギー)

を買う。店を出るとRIDLEYの人が消えた。早すぎる…これが歴戦のランドヌールか…!?と関心しているとLOOKの人も出ていきそうだったので、私もパンと水を背中に突っ込んで後に続く。RIDLEYの人もLOOKの人も見えなくなってしまっていたんだけど、無理に追いつこうとしない程度のペースで走っていたら追いつけた。

ただ、その直後の吹上峠でばっちり千切られる…。松ノ木通りから小沢峠に至るところで追いついたけど、やっぱり小沢峠を登ってる途中で無事に千切れる…。レースじゃないからついていく必要もないんだけど、直感としてこの人たちの平坦のペースについていけるといい感じで走れる気がしていたので、背中を追いかけたかった。

というわけで小沢峠を下ったタイミングで無事に追いつけたので、このまま山伏峠まで3人で走ることに。といってもお互い存在を認知しているだけで、先頭を交代することもなく走っていたんですが…(とにかくLOOKの人は淡々と自分のペースで走っているという感じで、RIDLEYの方も私もそれに追従しているという感じ)。山伏峠に無事突入していく。

が…峠なのに平坦と同じ要領で淡々と走るLOOKの方。このとき私はというと3倍から4倍くらいで踏むことになっていた。

いやいや、峠TTじゃないのに私はなんでこんな脚削って登ってるんだ…

どう見ても他のふたりは私に比べると明らかに余裕があるというか、息も切れてる様子がない。ピークまで残り数百メートルというところで私はふたりを見送ることに。実力不足は残念だったけど、この後は自分のペースで走ろうと気を取り直して、背中のパンの袋をあけて少し食べる。

この後は秩父まで下り基調なのでとにかく流していく。何度か走っているので、見知った道を駆け抜けて危うげもなく秩父まで下り切る。ここからコントロール2までは少し登ったりするけど、そんなに大した登りじゃないのでパンを食べつつ走る。水分持ってかれるけど、仕方ない。PEKOさんの反射ベストは胸ポケットにパンを装備できるので本当に偉大だなぁと思います。

鬼怒川600のときは鬼のような向かい風に吹かれた小鹿野バイパスだったけど、今回は特に向かい風もなくコントロール2に到着。コントロール2はファミリーマート 秩父小鹿野町店で10:02。この時点で距離にして95km程度でざっくり全体の1/3を走りきったことになる。コントロール2に着いたらLOOKの方が補給中だったけど、RIDLEYの方が見当たらない。とりあえずトイレを借りて買い物をして出た。

inゼリーを突っ込んで、おにぎりを食べていると、LOOKの方から「RIDLEYの方はメカトラでもしかしたらDNFかも」という情報をもらった。どうりでいないわけです。少し会話をして、LOOKの方は先にコントロールを後にした。私はソルティライチを飲みながら、ボトルの水があまり減っていないので意識して水を飲まなきゃなと反省。背中に入っていた水をボトルに詰め替えて、ソルティライチの残りを背中に入れた。この時点で補給食は水700ml+500ml、ソルティライチ半分、パン(200kcal)、マイプロの補給食x2。

コントロール2 ~ コントロール4まで

次のコントロールは55km先の道の駅なんもくで、今回のコースの名実ともに折り返し地点となる。以前の鬼怒川600では志賀坂峠を迂回して、土坂峠を越えるルートだったので、志賀坂峠は初。それとなんだかんだで湯の沢トンネルあたりまで地味に登ったり下ったりした印象だったので、少々補給食に不安はあったけど、志賀坂峠さえ抜ければ道の駅があるのは理解していたので、なんとかなると思って出発。ちなみにこの時点でも空腹感は特になく、エネルギー不足感もなかった。

さーて、頑張るぞーということでまた淡々と走る。しばらくして小鹿野バイパスを抜けると道が細くなりどんどん斜度がきつくなっていく。鬼怒川600のときは土坂峠を登っている途中でヘロヘロだったけど、今回はそんなこともなくちゃんと走れている。成長してる!途中であまりに景色がいいので、自転車を降りて写真を撮る(登るの飽きたわけじゃないよ!)。

どうにかこうにか登りきって、志賀坂峠のトンネルに到着。埼玉と群馬の県境らしい。

このあたりで完全に勘違いというか、脳みそが混乱してしまっていたんだけど、鬼怒川600のときに抜けた土坂峠のトンネルと出たときの雰囲気が完全に同じに見えてしまっていた。こういう雰囲気。

だから前回通ったときにあったはずの道の駅(万葉の里)がなくて「あれ?」となっていた。走りながら混乱した頭を整理していたんだけど、前回より奥の方に出てきているのか、そっか、と勝手に納得して走り続ける。あと恐竜のモニュメントが出てくるのもだいぶ早くで距離感がこの時点で崩壊。

道の駅上野まで軽快に走りきったところで、パンはなくなっていたけど特に補給の不安もなかったのと、後は湯の沢トンネル手前の坂くらいしか大きく登るところはないはずなので、道の駅はスルーした。

そしてどうにかこうにか坂を攻略して、目の前に現れる湯の沢トンネル…。鬼怒川600のときに車に乗ったmomさんに追い回されたのが懐かしい…。全長3.3kmある上に地味に下る感じの作りになっている上に、交通量もまあまああるのでわりと恐怖体験できる仕様のトンネルです。キューシート的には塩ノ沢峠を走って迂回してもいいことになっているんだけど、余分に登ることになるので究極の2択。私は当然のようにトンネルを走ることに。案の定、一度車に追いつかれたので、待避所に避難してやり過ごしてなんとか出口にでた。後は道の駅なんもくまで下るだけ!!

というわけで下って道の駅なんもくへ到着。時刻は12:39。わりといいペースで走れたみたい。

手持ちの補給食と水分が寂しかったので、とりあえず自販機と売店で補給物資を購入。売店はちょうど?団体のお客さんで賑わっていて、わらび?を大量に握りしめたお客さんがいたのが印象的だった。

  • コーラ
  • パンx2

パンは背中に入れて、コーラは即振って炭酸を抜いて飲んでしまう。水をボトルに入れて準備完了。そういえば鬼怒川600で立ち寄ったときもここではパンを買ったんだけど、お店に入ってすぐのところしか見てなかったからパンしか見えてなかったのもあるけど、タイミング良いとたぶんお弁当とかお団子とかもある気がする。それと少し時間を取って休憩するつもりなら、ちゃんとした食堂も一応あるらしい(前回は本当に気付いていなかった)。

朝のブリーフィングでも言われていたけど、道の駅なんもくまで到着できたら主要な登りは終わっているので後はほぼ平坦を走り続けるだけ。このタイミングでLOOKの方にお会いできなかったので、もうたぶん追いつけないんだろうなーと思いながら道の駅を後にします。

そしてここからコントロール4までの記憶はほとんどない。というより、本当に、本当に、本当に、ほぼほぼ平坦なのと、キューシート的にも指示の区間距離が12kmとか18kmとかあって、ずーっとまっすぐ走り続けているだけなんですよね…。これが群馬…とか考えながら走ってました。

走り始めて6時間以上が経過しているのもあって、肉体的にも疲れたなあと思っていたタイミングで、特にシューズをちょっときつく締めすぎていた影響で足が痛かったのでBOAを緩めたりしていました。この区間は交通渋滞が少しあったり、信号がちらほらあるのでストップ&ゴーも増えていてそこまできつくはないけど大変でした。前日までの天気予報では煮え切らない天気だったはずなのに、結局はThe 快晴!みたいな感じで晴れていたのでわりと暑かったのも印象的です。

淡々と走り続けてコントロール4に到着。ローソン川本店で、時刻は15:16。なんもくからはざっくり60km程度あったので、これもいいペースですね。少しお腹が空いてきた感覚と脚を休めたかったので少し休息することに。ここでは以下のものを購入。

inゼリーとおにぎりを食べて、プロテインを流し込む。コーラは振ってしまって飲み切る。水をボトルに入れて2本体制のボトルはフル状態に。そうそう、途中の反省を活かしてちゃんと水はここまでで飲みきれたので良かった。それでもたぶん暑かったから、感覚的にはもう少し水を持ってても良かったかもしれない。

補給しながらシューズのBOAを緩めて脚を休めていたら、1台の自転車がやってきた。あれ、誰に追いつかれたんだろうって思ったら、例のLOOKの方でした。どういうことだろうって考えたけど、恐らくはお昼ごはんを食べて休まれているところを私が抜いていた形なんだろう、と思う。それにしても早い…。

コントロール4からゴールまで

休息もそこそこにローソンを後にする。LOOKの方より先に出て走り始めることに。後はコントロール5に指定されている青梅のコンビニを目指して、最後のゴールを目指すだけ。ゴームまではもう100kmを切っているし、本当に走り切るだけ。脚の疲労も多少は抜けているのでちゃんと踏めそうです。

淡々と走っていたら、そんなに遅かったつもりもないのに、例によってLOOKの方に追いつかれて追い越された…!めちゃくちゃ元気あるし、速い…。私と同じようなペースで走っているなら、後ろにつかせてもらおうって思ったけど、微妙なアップダウンで見事に振り切られる。主要な登りはもうないんだけど、微妙なのはちらほらあって、脚が気持ちについていけなかった…。

そんなこんなで単独で走っていたら、奇跡的にまた追いつけた。どうも信号ストップとかの兼ね合いで追いつけるみたい。個人的にはスタートからほとんどこの方しか見かけていないので、勝手に一緒に走ってる気持ちでいて親近感MAXだったのはここだけの話。見慣れた飯能の町に帰ってくると後はひたすら下り道。顔とか腕がなんかやたらざらざらするから、早く帰ってシャワー浴びたい気持ちが高まる。

17:37、わりとまだ明るい時間にコントロール5、セブンイレブン青梅日立前店に到着。LOOKの方が「ボトル2本が今日は正解でしたね。1本しか持ってなくてすぐなくなります」と言っていて、確かに私は2本だけど1本でここまでこのペースで走ってるのもすごいな…と思った。ここでは残り50kmもないので補給はほどほどにした。

水を入れていたボトルにポカリ入れて最後の2時間に備える。カロリーメイトは箱から出して、胸ポケットに入れる。そしてまたふたりで走り始めた。このあたりからLOOKの方はエアロポジションで走ることが増えてきた。私は私でもう残り少しだし、ひとりで走るとダラダラ走ってしまいそうなので、LOOKの方に引きずりまわされる形でついていく。実際は下りに近い平坦なのでどちらかというと体格が大きい私はそんなに必死でついていかなくてもついていける形。それにしても、ここに来てエアロポジションで走り続けることができるのもすごいけど…

今日はなんかの練習会に参加していたんだっけ…

という気持ちがすごかったです。カロリーメイトを口に入れながら走ってたけど、正直このタイミングでこの選択は失敗したなと思った。ものすごく水分を持っていかれました。

この時間になってくるとゴールの時間を計算しはじめる。というか、ゴールまであとどのくらい耐えれば良いのかを考え始めていた。セブンイレブン青梅日立前店からゴール付近までは普段よく走っている見知ったルートなので、だいたい場所と時間も分かるんだけど、多摩川のそばに出てきたあたりで後1時間…!というのが分かっていたので、体力的にも最後まで踏み切れる…と思って走る。

このあたりでサイコンのバッテリーが10%を切ってきて、アラートが出る。もうゴールするだけだし、知らない道じゃないから大丈夫なんですが、せっかくなので300kmのログをきれいに残したくて気持ちが焦ってくる。地味に渋滞するポイントが1箇所あったけど、そこを抜けて後はゴールまで駆け抜けるだけ。

…ゴール!!疲れたー!!

最終コントロールファミリーマート天神森橋店に到着。最後にマッチ(マスカット味)を買って、レシートを受け取る。19:31。

LOOKの方と少し話していたけど、やっぱりコントロール4で後ろから来られたのはお昼ご飯を食べていたかららしい。曰く、途中でお腹すいてしまったとか。それにしても速かったので驚きしかない。この前の籠坂200のときに「速いLOOKの人が先頭走っていった」って聞いていたけど、絶対この人だと思った。

というわけで、最後まで前を走ってもらってしまったのでお礼を伝えて、私はゴール受付をして解散しました。

感想、まとめ

初300km、楽しかった。累積獲得標高で言うと籠坂200とそう大差なかったというのが走った後の驚きだった。春になって久しぶりに秩父の方へ向かったけど、そっかもうこのあたりも走れるんだなーって思うとこれからの季節が楽しみになった(既に暑いから、夏場は大変だと思うけど…)。写真は撮ってないけど、微妙に湯の沢トンネル付近だと桜も残っていて、彩り良い景色を楽しめました。

コース全体としてはトータルで2500m up程度で済むと思うので、全体で見れば比較的イージーなコースだとは思うんですけど、150km地点までにほとんどの登りを消化するのもあって、序盤は苦労するコースだったなと。後半の平坦はある意味面白みがあまりなくて気持ち的には疲れました。実は小前田駅というネタにされている駅の前を通っているんですが、全然気にしてなかったのもあって帰ってきて気付きました。あと成木のあたりは普段山王峠を越えて山伏峠の方へ走るので、松ノ木通りを抜けて小沢峠を登るのが新鮮で楽しかったです。あとそっちのほうが緩いので走りやすかったかな?

ゆるポタするぞ、という目論見はいつの間にか消えていたけど、ちゃんと持続可能なペースで走れたのは良かった。走ってる最中も空腹感に苛まれることなく、しっかりといいペースで補給ができていたみたい。事前の「カーボローディング」もある程度効果が高かったんだろうなーと思う。ただ、帰ってきて体重測ったら出かける前との比較で約4kg減っていて、身体から何が消えたんだ!?という驚きの結果になりました。こんだけ体重変動するのは流石に久々です。

ヘルメットはやっぱりSMITHのTraceよりOGKのIZANAGIの方が軽くていいなと思う。そんなに派手に重さが違うことはないはずなんだけど、毎回この数十gの違いは距離が伸びると強く感じる気がする。それからこの日はサイクルキャップをしてなかったけど、日差しが強かったしキャップありがよかったなーと。

AJたまがわのジャージは汗抜けがあまり良くなくて背中が熱かった(反射ベストを着てるのもあるけど)ので、ちょっとこれからのシーズンは厳しいなと思った。籠坂200の反省を活かして今回はちゃんと日焼け止めを塗ったのでダメージ少なくて済んだ。

後は400を走れば200,300,400,600は一通り走ったことになるので、チャレンジしたい。だけど、一般に1番しんどいのは600よりも400と聞くのでどれに出るか悩むところ…。とりあえず5月中にチャレンジしたいなー。

あと、ちゃんと一緒に走ってる人とコミュニケーション取って、協調して走りたいですね。次回は頑張る。それにしても、鬼怒川600のときもそうだったけど、ゴールに向けて最後のコントロールからめちゃくちゃ速いペースで走る人がいるのは早く帰りたいからなんだろうか…。

というわけで、西上州300を走ってきたレポートでした。

Ride with GPSのルートプランナーで標高データの外れ値を修正する

先日こういうブログ記事を書いた。

bicycle-ayato-p.hateblo.jp

獲得標高というものは推測値にすぎず、獲得標高の数値が"正しく"算出されるかどうかは重要ではない。本当に重要なのはそれぞれのルート作成アプリにおける一貫性である、という話でした。

これは一定納得できる話ではあります。ただ、先日のブログ記事で実は解決していない問題があります。Ride with GPS(RWGPS)ではトンネルを抜けるコースで標高が高くなってしまうという問題です。

Ride with GPSが外れ値を出しやすいところを理解する

先日参照したヘルプページには具体的にどういうときに正確さを欠く標高になってしまうのか書いてありませんでしたが、よくよくヘルプを読むと分かってくることがあります。

ridewithgps.com

まずRWGPSが用いているSRTMデータセットの性質はヘルプから以下の2つを読み取ることができます。

  • 宇宙から衛星によって測定された標高データである
  • 90mごとのメッシュデータである

つまり、この性質に弱い地形では標高データが意図しないものになりやすい可能性が高いということです。例えば、以下のような場所が考えられます。

  • トンネルや立体交差など上空を覆うモノが存在する道路
    • 衛星から取得ということはつまり上から観測できるモノを対象にした標高にしかならない
  • まわりが水上となる橋の上
    • 90mごとでデータが取られているということは、ポイントが橋の上ではなく水上をとっている可能性があるので、その場合ポイントとポイントの間に橋があれば実際の橋の高さより低くなる可能性がある
  • まわりに高いビルが乱立している道路
    • 橋の上の逆になりそう

ちょうど例に出すのに良さそうなルートがあったので、RWGPSのルートプランナーでひいてみました。小倉橋から走り始めて、宮ヶ瀬湖をぐるっと1周するようなルートです。このルートでは先程あげたRWGPSが"正確な"標高を出すのが苦手そうなトンネルや橋がいくつか存在します。

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スクリーンショットの通り獲得標高は926mと出ています。ベンチマーク的にこのルート情報をGPXファイルとしてエクスポートして、Stravaにも入れてみます(注意してほしいのはStravaが"正確"である、というわけではなくあくまでも分かりやすい比較対象として引き合いに出しています)。

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Stravaでは同じルートを解釈した結果、獲得標高を488mと出してきました。Stravaの方がざっくり1/2の値なので、これをアプリの違いで誤差としてしまうにはちょっと大きすぎるように感じます。

よくよく標高グラフを見てみると、RWGPSの方がギザギザしているのが分かります。宮ヶ瀬湖のまわりの道路はトンネルが多く、一部区間は橋になっているため、その周辺の標高が外れ値になっているのだと思います。試しにトンネルの区間を選んでみると、以下のようにトンネルの真ん中にかけて標高が高くなっているのが分かります。

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んー、どうにかこれを修正できると他の人に共有したりできるんだけど…。

Ride with GPSの外れ値を修正する

というわけで調べてみたら、例によってヘルプが出てきた。

ridewithgps.com

Flatten elevationという機能があるらしい。プレミアムユーザーしか使えないけど、ちゃんと用意してくれているのはありがたい。早速トンネルを修正してみる。以下のスクリーンショットのように、標高グラフを選択状態にするとトンネル区間が青くなるので、右側のパネルにある「標高グラフを圧縮1」ボタンを押すだけ。

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「標高グラフを圧縮」ボタンを押してもリアルタイムでは左のパネルに出ている獲得標高の値は変わらないので、確認したければ保存しないといけないんだけど、保存しなくても下に出ている標高グラフが変わっていることが分かると思います(スクリーンショットは保存した後に開いて撮ったもの)。

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この調子で橋やトンネルの周辺を平坦化していきます。やりすぎない程度にトンネルや橋のあたりを平坦化した結果が次のスクリーンショットです。獲得標高539m。

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Stravaの結果に近づけば良いというわけでもありませんが、恐らくはこのくらいが妥当そうな獲得標高になるとは思います(消したのがトンネルの出っ張りや橋付近のへこみだけなので)。

まとめ

これでRide with GPSでトンネルのあるルートをひいたとき、獲得標高が高くなってしまう問題に頭を悩ませる必要がなくなりました。ただし、やりすぎると"一貫性"を損ねる可能性があるため、修正はほどほどにしたほうがよいでしょう。

余談ではありますが、ユーザーがなんでトンネルや橋を考慮していちいち修正しないといけないんだ、っていう人はStravaを使った方が幸せになる気はします。Stravaはユーザーの走行データをもとに地図情報(標高含む)を作っているので、トンネルや橋でも問題なく獲得標高を出すことができます。Ride with GPSはSRTMデータセットを優先的に使い、Stravaはユーザーデータを優先的に使うため、このような違いが出ますが当然どちらにもメリットデメリットがあるので、一概にどちらかが絶対に良いというわけではありません。


  1. 何故か"圧縮"という訳なので最初よく分からなかった…